2. 人件費総額の増減理由〔第24〜27表参照〕
今までみてきたように、過去1年間の人件費総額の動向は従来とは異なり「増加」より「減少」した企業が多くなったが、「減少」と回答した116社と「増加」と答えた60社について複数回答でその理由を聞いた。
ア. 減少した理由
トップは「従業員の減少による部分が多い」で91%の企業がこれを挙げ、次いで「残業時間の減少による部分が多い」が40%、「賞与の切下げによる部分が多い」が39%で拮抗している。この3項目とも昨年に比べかなりの増加となっている。寄与率の最も高いのも「従業員の減少による部分が多い」で75%の企業から回答があり、リストラが進捗していることを思わせる結果となっている。なお、その他の理由としてわずか1社ながら「給与の引下げ」を挙げた企業があったことは注目に値する。
企業規模別、産業別にみても、おおむね以上の順序は変わらないが、規模別では「5千人以上」の「従業員の減少による部分が多い」、「残業時間の減少による部分が多い」・「賞与の切下げによる部分が多い」の率がそれぞれ94%、50%と厳しいのが目を引く。また、産業別では「運輸・通信業」(3社)が同じく100%、67%で人件費削減のためのきつい努力を感じられる。