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5.2.2. 排熱利用による船内発電システムの開発

(1) 主機排ガスエネルギー回収発電システム

主機の排気ガスに着目して、エコノマイザーを通過後の排ガスの有する低位の熱エネルギーを利用して動力を取り出すシステムについて提案すべく研究を行った。熱サイクルとしてはランキンサイクルとして、動作流体はフロンも含めて数種を検討の対象とした。その結果水蒸気を用いた2段再熱サイクルの場合で最大効率を得ることを確認した。排ガスを露点温度まで利用する場合には、ガス中に含有される硫黄酸化物による硫酸生成と高温高腐食環境が問題となる。この対策としてテフロンチェーブを用いた伝熱方式、およびセラミックス塗装による耐硫酸塗膜形成による耐食法の2方法を検討した。

低温低圧力での水蒸気ランキンサイクルについては小型模型実験による作動確認を実施し、一方セラミックス塗装の耐硫酸性及び耐熱性については人工雰囲気による腐食性の加速度試験を実施し本塗膜の有効性を確認した。

以上の実験及び検討結果に基いて、水蒸気2段再熱サイクルとセラミックス塗装熱回収器の組み合わせての実機プラントの試設計を行い、計算上は10,000PSの主機で約260kWの電力出力が可能であることが確認された。

これらの概念系統図を下図に示す。

 

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