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図3 カリーナサイクル

 

● ウエハラサイクル

佐賀大学はカリーナサイクルの欠点を補うために図4に示す新しいサイクルを佐賀大学方式として考案した。このサイクルは、1994年海洋温度差発電国際会議(IOA'94)で発表以来「ウエハラサイクル」と呼ばれている。このウエハラサイクルは、カリーナサイクルが1個のタービンに対して、2個のタービンを用いる。第1段のタービンを出た蒸気を抽気し、凝縮器の負荷を低減させるなどの工夫がなされている。ウエハラサイクルの実機においては、2つのタービンを1つにし、従来の発電所で用いられている抽気方式を行うことによってこのサイクルを実現させる。

佐賀大学は、理論的研究成果を実験的に立証するために発電出力9kWの実証プラントを建設し、現在研究を行い有効な結果を得ている。

この新しいサイクルを用いた海洋温度差発電が実用化されれば、海洋温度差発電の経済性は飛躍的に向上することが期待される。ウエハラサイクルは、インドのプロジェクトにおいても実証試験が進められている。

 

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図4 ウエハラサイクル

 

 

 

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