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図3-3-41 多角化の評価

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3.3.9 外注

労働集約型産業である中小造船業における外注依存度は高く、労働力のうち約半数は社外工である。作業場を共にし、一心同体の関係を長年保ちながら造船所を支え基本的には請負契約であるが常用的な関係を維持してきている。従って、他造船所との人材の交流はあまり行われていない。

平均年齢は造船所の職員を上回っており、経験豊富な人材が多いが後継者となるべき中間層や若手が少ない。このままで推移すれば、10年後には確実に50才を超えることになる。一方、今後予測される内航海運の船腹過剰と、建造需要の激減による労働力調整という、相反する二つの大きな問題をクリアしていかなければならない。

小造船所における設計要員は数名しかいないところが多く、作業内容はごく初期段階の建造仕様書やキープランなどの基本設計、購入品の発注、外注図面のガイダンスおよびチェックといった作業が主体であり、社外への外注依存率は非常に高い。

現業部門については、船殻ブロックの25%、および艤装品単体の製作が社外へ外注され、その他は概ね構内常駐の下請け業者に一括請負形式で外注されているところが多い。

外注利用上の問題点としては、臨機応変に人材が揃わない、請負単価の上昇、高齢化による対応能力の低下等があげられている。

調査対象造船所における今後の外注利用の見通しとしては、現状維持が46%、増員する14%、削減する14%という回答であった。

 

 

 

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