3.3.8 多角化
新造船は激減し、修繕工事についても減少傾向にあり、操業度確保のために県内の中大手造船所からのブロックの請負、大手建設会社の製缶物、その他鋼構造物等の工事を行っており、多角化の方向としては52%の事業所が陸上部門への進出と回答している。既に、この様な多角化を行っている造船所は32%ある。
また、多角化の目的は、「経営の安定と事業の拡大」が最も多く、次いで「人員の活用」、「保有技術の活用」などがあげられる。
現在、行っている多角化の内容としては以下のような回答があった。
* 陸上の製缶工事(橋梁、ホッパー、タンク、建設用ジグ)
* 陸上の設備機器類の補修・点検工事
* 建設業関連工事(鋼構造物、塗装、配管)
* 港湾設備(ポンツーン、可動橋)
今後取り組みたい事業分野としては、造船技術の延長線上にある海洋土木、養魚施設(いけす、魚礁)などの事業が各20%で多い。その他では機械製造、プレジャーボート関連の設備製作が各8%であった。
新規事業の開拓については、財務的な企業体力と受け入れ態勢の整備、検査基準や加工精度等、すぐに踏み切れない課題もあり、できれば新造船の建造や補修工事を主体とする現状維持の体制で行きたいと言う意見が多い。