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従業員の平均年齢は42-45才。平均的人員構成は職員55%、社外工45%の割合である。また、職員の構成は18%が設計を含む事務職、37%が現業である。

60才定年制をしいており、特殊な技能を保有した者以外は、多少の技術があっても定年に達した人材の定年延長又は再雇用は原則として行わないとしている所が多い。

世代交代による比較的に若い経営者からは、従来の経験と技術を持った人材を喪失することは惜しいが、将来の可能性を秘めたより若い人材の採用と教育訓練を重視したいとする考え方も伺える。

一方、従業員の構成は年々外注依存率が高くなっているが、社外工の平均年齢も上昇傾向であり、従って賃金も上昇しており、経営を圧迫してきつつある。

新規雇用については、過去3年間に約半数の企業が採用を行っており、平均的な新規採用者は、造船業で2.6人、舶用工業で3.5人である。

アンケート調査によれば、造船、舶用とも過半数の企業が労務環境の改善はされたと回答しているが、若手労働者の確保やその人材の定着率の向上という点では成果がでていないというのが実態である。

若手労働者不足の要因としては、3Kイメージが強すぎる、他の産業に比べて作業環境が見劣りする、将来の展望が見えないなど客観的なものと、他の産業と比較した賃金、年間就労時間や休日日数など雇用条件的なものという二つの面が考えられる。

高齢化、少子化、熟練者の減少などが進行していく中で、人材の確保問題は今後ますます厳しくなることが予想され、熟練者の減少に伴う技術の継承と言った面でも後継者育成対策が課題となってきている。

このままで5年、10年を経過するとすれば従業員の平均年齢は確実に上昇し、労働力不足による経営の存続も危惧される。

 

アンケート調査結果:

業務別年齢構成:

事務系

30才以下18%、40才以下21%、50才以下29%、50才以上32%

設計・技術系

30才以下19%、40才以下17%、50才以下33%、50才以上31%

現業(社内工)

30才以下17%、40才以下11%、50才以下35%、50才以上37%

現業(社外工)

30才以下15%、40才以下19%、50才以下28%、50才以上38%

従業員の職種別年齢構成をみると、現業に高齢者の偏重がみられる。中でも、40歳以上の現業従事者は社内工が72%、社外工が66%となっている。

 

 

 

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