生産体制の再編
建造設備に関する規制の緩和・撤廃 29%
国による分野調整 23%
グループ化・系列化の促進 18%
3.3.3 設備の近代化
ここ数年の間に、船台の拡張、全天候型上屋の新設、フローチングドックの新設、クレーンの能力アップ、ブロック組立工場の新設など、できる範囲の設備投資は、既に行っている造船所が多く見られた。
この様な設備の増強ができている所は、改善前と比較して、生産性向上と工期の短縮が可能となりコスト競争力の改善に功を奏している様である。しかし建造需要の縮減により、資金繰りも厳しくなっており、今後の設備投資については計画がなく、当面は老朽化した設備の補修程度で、現状を維持していくものと思われる。
自社でNC切断機を持つ所は、調査対象造船所47社中で6社であった。各種の合理化・省力化機器の中にあっては、比較的高価なこと、設置場所がないことなどもあり導入率は僅か5%程度であり、今後の導入計画の優先順位についてもその位置づけは低い。
設備等の近代化など構造改善については、経営幹部の世代交代により、守りの姿勢より攻めの姿勢で積極的な取り組みを指向しようとしている造船所も見受けられる。
アンケート調査結果:
近代化設備導入の主なねらいは、工数の削減25%、工期の短縮15%、作業品質の向上13%で、合理化・省力化を図るために導入している機器は、自動溶接機16%、パイプベンダー18%など必要最小限の装置にとどまっているところが多く、中小造船所における自動化はほとんど行われていない。
設計のCAD化は32%の造船所が行っているが、NC切断機の導入まで一貫した近代化を行っている所は少なく、前述のとおりである。
機械化、省力化を図る上での問題点として、次の様な意見があった。
機械化しにくい作業 24%
稼働率が低い 14%
投資効果の判断が困難 12%
資金不足 10%