3.3.2 事業状況
(1) 建造工事
アンケート調査対象造船所の平成7年〜平成9年の3年間の経営状況を見ると建造売上高は、平成8年度、9年度とも対前年比で11%の伸びを示しているが、平成10年度に入り建造需要の状況は急速に悪化の様相を呈している。
建造隻数では、平成8年度は8%の増加が見られたが、加速的な経済環境の変化による内航海運市況の低迷や、内航船の大型化に伴う建造船隻の減少も相まって9年度は29%の大幅な減少となっており、中小造船所は極めて厳しい状況にある。
(2) 修繕工事
修繕工事高(対前年比)の推移についても、平成8年度は9%の伸びがあったものの、9年度は6%の減少となっている。また近年は、漁船の修理工事が国外で行われるケースが多くなっていることも影響している。
(3) 兼業
船舶の造・修以外の事業売上高は、過去3年間の平均値で9%を占めている。
この売上状況においても、9年度は平成7年度の70%まで減少しており、非船舶部門への事業展開も厳しい状況が伺える。
(4) 収益性
対売上高の営業利益率は、平成3年度の6%をピークに平成5年まで漸減傾向を辿り、以降は急激に悪化し平成8年度は1%以下となっている。
船価低迷の主な理由と対策について、アンケート調査では次の様な回答があった。