日本財団 図書館


それでも、受注対象船舶を内航船・近海船・旅客船などの船種にも広げ、設備の拡充など近代化を図りながら受注の確保に努めているところであるが、少なくなった建造需要の確保で九州管内の受注競争の激化に加え中・四国地域の造船所との受注競争に苦戦を強いられているという意見も多く聞かれた。

内航船建造の2大集積地域の一翼である中・四国地域の造船所は九州に比べて、1]工期が短い(建造実績が多く、社外工の技能レベルが高い)、2]造船所との密接な関係を持つ内航船の船社が多い、3]造船所をサポートする舶用工業や関連産業の企業が多い、4]瀬戸内海を活用した物流の要衝で利便性に恵まれているなどがあげられる。

かつて、九州の造船所は漁船の建造・修繕の技術を主体として発展してきたが、漁船市場が急減し始めた1980年以降、内航船への切り換えに体質改善が遅れた造船所においては、生産性・コスト競争力(工期・工数・設備能力)の面でさらに厳しい状況におかれている。

 

図3-3-1 同業他社と比較した自社評価

1. 多様な船種に対応できる2. 特定の船種に強い
029-1.gif029-2.gif
3. 特殊な建造・加工技術を持っている4. 品質が高い
029-3.gif029-4.gif
5. コスト競争力がある6. 運航コストの低い船舶を建造できる
029-5.gif029-6.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION