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また、事業規模別にみると、全体の94.9%が300人以下の事業所であり、50人以下の小規模事業者が全体の71.6%となっている。

 

3.2.2 舶用工業の生産状況

舶用工業の生産高は、昭和62年を底に増加を続けながら平成4年をピークに漸次減少傾向を示していたが、平成7年には増加に転じ、平成9年も前年の実績と比べると12%の増加となった。

 

3.2.3 舶用工業の製品別生産高

製品別生産高を対前年比で見ると、下記のとおりとなっている。

舶用タービン 45.4%減、舶用内燃機関 102.0%増、舶用ボイラー 93.7%増、舶用補助機械 10.4%減、係船荷役機械 2.8%減、プロペラ 9.5%増、航海計用機器 9.4%増、艤装品 13.1%増、部分品・付属品 12.9%増

 

3.3 九州・沖縄地区造船業・舶用工業の現状と動向

 

3.3.1 経営状況

平成10年6〜9月に実施したアンケート・ヒアリング調査によると、対象造船所における平成10年度の建造状況は極端に悪化しており、約7割の造船所がすでに建造船を持っていない。また、僅か8%程度の造船所が平成11年度前半の受注を確保できてはいるものの、残り22%の造船所の手持ち工事は、平成11年3月以降の見通しがついていない状況である。

商談はあるが、少ない建造船の受注をめぐり入札参加企業数が増加し、結果として、過度なコスト競争が発生している。船価の低減に歯止めが掛からない状況で、受注船価は、従来のほぼ20%減までに落ち込んでおり、造船所側の懸命なコストダウンを図っても、収益面では限界を超えてきている。造船所経営者の姿勢は、仕事は欲しいとしながらも、「リスクのある商談は無理して契約はしない」。という所が多い。

この様な状況下にあって、中小造船所の対応は、操業度不足の補填と多角化を目的として、クレーン増強や全天候屋根の新設など設備の増強を行い、比較的に多くの建造船を受注している中大造船所からの船殻ブロックの受注を行ったり、大手建設会社から発注される大型製缶工事などを行っている造船所も見られる。

建造船や修繕の受注ができていない造船所では、社外工の一時休業や造船所自体の休業などの事態も発生している状況である。

 

 

 

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