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ロ Sorbent Products Company Incorporated(油吸着材のメーカー)

ASTMの試験法には様々なものがあるが、商品の品質を保つために必要なものだけを行っている。

ハ Parker Systems Incorporated(油吸着材・オイルフェンスのメーカー)

当社の商品については、ASTMの方法による性能試験は行っていない。それは、ASTMの試験法といえども、必ずしもこの商品に適した試験法にはなっていないからである。

2] カナダ

イ Science Applications International Corporation Canada (SAIC Canada)(民間試験機関)

油吸着材の試験については、以前は、カナダ連邦環境省とカナダー般標準評議会が合同で策定した試験方法を用いていたが、現在、この試験法は使用されておらず、また、ASTM の試験法についても、改正作業中である。

ロ Petroclean Corporation (油回収装置のメーカー)

ASTM には油回収装置についての試験法もあるが、この方法による試験は行っていない。この試験には、10万ドル以上の費用がかかることになり、また、試験の結果として得られる1時間当たりの回収量等は、実験上のものであって、現場での回収量とはまた違ったものである。

 

(2) 化学的処理関係

1) 分散剤の技術基準及び型式承認制度

我が国では、特定の船舶所有者に対して備え付けが義務付けられている油処理剤について、海防法に基づく命令の規定により、その具備すべき性状等の基準が定められている。これにより、乳化性能、対生物毒性、界面活性剤の生分解度等の要件が規定されるとともに、技術上の基準に適合するものについての型式承認制度が採られている。また、この備え付け義務に係らない油処理剤の使用についても、乳化性能と動粘度とを除く、対生物毒性等の技術上の基準が適用されており、海域の状況に応じた適切な使用の義務とともに規制がなされているところである。

分散剤(我が国では「油処理剤」といわれているが、海外では、Dispersant:分散剤といわれている。)に係るこのような技術上の基準について、米国とカナダの現状を調査したところ、次のとおりであった。

1] 米国

分散剤は、国家緊急時計画 (Part 300-National Oil And Hazardous Substances Pollution Contingency Plan)のリストに記載されたものだけが、流出油防除活動の中で使用することが認められており、同緊急時計画に定められた試験に合格したものが、このリストに記載されることになっている。この事務は、環境保護庁によって執られており、リストへの記載を希望する分散剤のメーカーは、定められた方法で試験を行って、その結果により、環境保護庁に申請することになっている。

 

 

 

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