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図2-2-17 通常型油処理剤のMDPC法での分散率

 

4 まとめ

(1) 試験法の諸元及び試験操作

今年度の調査結果を踏まえ、MDPC法の諸元を一応確立することができた。この中で、分散剤の添加方法については、1(1)2)でも記述したように、予め混合による方法を基本とし、別々添加による方法を参考として規定することとした。また、試験油については、2(1)で記述したように、C重油を試験油とした場合には、同一性状のものを確保することが困難であることから検討の余地があるが、ここでは、最近の油排出事故の態様を踏まえ、3,000cStのC重油を用いることとした。

次年度以後は、試験油に対する若干の考察や、分散性能の判断のために、乳化層から抽出した油分の粒径分布や各粒径での重量分布等について調査を行うこととする。

 

(2) 試験法の検証

1] 他の試験法と比較した結果では、MDPC法によるS-5とS-7の分散率は、舶査第52号によるものより低く、渦巻フラスコ法及びラボファイナ法によるものより高い結果となっている。これは、各試験法での振とう方法の違いによるものと考えられる。

2] 通常型油処理剤に対して行った試験の結果では、高粘度油用の油処理剤であるD-1128の分散率は、舶査第52号による試験法でのものよりMDPC法によるものの方が低く、MDPC法が、かく拌を必要とする分散剤の評価に不向きであって、かく拌を前提としない分散剤の試験に適した試験方法であることが裏付けられた結果となっている。また、通常型Aについては、MDPC法の同じ散布率によった場合の方が、舶査第52号による試験法のものよりも高い結果となっており、かく拌を必要とする分散剤であるにもかかわらず、かく拌がゆるやかな試験の方が高い分散性能を示す結果となっているが、これは、試験油の粘度が3,000cStと比較的高いにもかかわらず、通常型Aが高粘度油用の分散剤でないために、正しい結果が得られなかったものと思われる。

 

 

 

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