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6. あとがき

 

ここでは、船舶運航における情報支援システムの可能性と問題点について調査した。調査方法としては分科会方式を採用し、情報システムを構築する場合のハード面における可能性と問題点について第1分科会で、船舶が支援を受けるとした場合に取り扱う情報の種類と形式等、ソフト面について第2分科会を設けて調査した。

第1分科会では、情報システムを構成する船舶情報システム、陸上情報システム、そしてその二つの情報システムを結ぶ通信システムの現状と将来について調査した。第2分科会では、船舶で送受している情報の種類と量、取り扱い情報の重要性、そして今後必要とする情報とその形式等について、アンケート方式等を使って調査した。また同時に、現在の海事衛星利用の可能性について、練習船を使って通信実験を行った。この結果、船舶運航を支援する情報システムを構築する場合、利用できる既存技術やシステム、支援を希望する情報の種類と形式を知ることができた。

これにより情報システムを構築するには、先ず十分なデータベースを構築し管理することが必要なこと、そして海事衛星通信の通信量がまだ不十分なため、通信可能量を考慮した支援の確立が必要であることが判明した。このうちデータベースを含む陸上支援情報システムの構築には、海事関係機関の協力体制を確立することが必要であり、船舶システム構築には、ここに示した概念に基づき、調査で判明した支援情報の電子化を進める必要がある。これら具体的な情報システムの構築については、今後の調査研究に期待するとして、本調査により情報システムの具体的に必要な基本部分を明確にすることができた。

おわりに、本調査・研究に参加を頂いた委員並びに関係機関の方々の御指導、御協力に対し深甚なる謝意を表する次第です。

 

平成11年3月

情報システム調査検討委員会

委員長  今津 隼馬

 

 

 

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