4.6.4 船舶通信メディアの現状と電子化
船舶情報の内容、送受時期により、使用されるメディアの現状はどのように選択されているか及び情報を電子化する必要性の急、不急、さらに電子化した場合の情報形態は何が良いか等について調査したのが「表4-14船舶交信情報の重要性、緊急性等」の後欄である。
(1) 船舶通信メディアの現状
固定された陸上のオフイスと移動する船舶間での情報交信の、通信媒体としては先ず最初に無線電信が使用され、その後通信技術の発展により通信衛星を利用した各種通信媒体が出現してきた。しかし、通信媒体としての無線電信は今年の2月1日でなくなり、現状では電話、テレックス、ファックス、電子メール及び停泊時に受け取る文書となっている。
当初はテレックスが多用されたが、通信費等の関係から現状ではファックスに移行し、次いで電子メールに移行しつつある。ただし電子メールは通信費は安価であるが、受信側がサーバーにアクセスしない限り情報の入手はできないので、緊急を要する場合には間に合わない。その点、電話は証拠書類としての文章は残らないが緊急を要する時には、通信費はやや割高となるが、手軽に使用できる通信媒体である。
通信衛星を経由して通信を行う電話、テレックス、ファックス及び電子メールは、通信途中で通信の中断や文字化けを起こすことがあり、また、通信速度が遅いため大容量のファイル送信には通信費がかかり、現状では動画を送信することはできない。
ファックス及び電子メールで送信する場合、圧縮化及び暗号化して送信すれば、通信費の節減及び安全保証を図ることにっながる。
通信メディアについては現状使用されている電話、テレックス、ファックス、文書を例に挙げ、電子メール、船位情報、気象情報等はその他とした。今後、マルチメディアや動画が重要になってくると思われる。
メディアの欄の二重マルは現在主に使われているという意味であり、その他のメディアも併用されていることを示す。現状ではどの情報にどんな通信メディアがベストなのか、あるいは優先的に使われるのかは評価できていない。
(2) 情報の電子化について
電子化された情報とは、コンピュータで読める形の情報をいい、それをどういう形で保持するかは電子化の中の仕分けの話である。また、マルチメディアと言うのは、全ての情報をどのように表現するかを自由かつ、最適に選択ができるということである。例えば、電子回路の全体シーケンスなら図示することも可能である。
情報を電子化した場合のメリットとして以下のことが期待できるため、早期電子化のニーズがあると思われる。
1] 情報の交換が正確で早いこと