(2) 電子海図データベースの考察
現状のシステムを意識した上で、電子海図のデータベースを考えてみる。
海図を電子化してデータベースに記録するもっとも簡単な方法は、現状の海図をスキャナー等で取り込んでイメージとして記録する方法である。現在では写真と同じイメージでかなりの細かさで記録することができる。しかし、この情報はあくまでイメージであるために、部分的な更新は簡単に行うことができず、情報量もかなり大きなものとなる。ブイ1つの更新でも面倒であり、通信回線利用して更新するとなれば、一枚すべてを送り直すのがもっとも早いことになってしまう。
それでは、海図中のそれぞれのオブジェクトをシステム的に捕らえて考えてみる。海図はそもそも、海上及び地上の形状を2次元で表示した結果であるため、これらを構成する要素(オブジェクト)をその特性から捕らえていく必要がある。
海図を構成するオブジェクトを考えてみる。
海図は特定の海域をあらわしたものであるため、その範囲、名称が要素となり、それぞれには固有の海図番号が振られているので、これをキーに利用できる。
○ 海図情報(メルカトル)
[海図番号(キー)]
[海域名称]
[表示範囲(左上(S/N、緯度、E/E、経度)、右下点(S/N、緯度、E/W、経度))]
[縮尺]
これが海図特有の情報で、現実には情報を表示する窓を構成する。
次に海図上に表示されるオブジェクトを考えてみる。
○ 表示オブジェクト
以下のオブジェクトを窓にならべると海図が完成する。
・ 等高線、水深
等高線は元々同じ高さの場所を線でつなげた地図上の表現であるため、これを点で捕えると水深と同じことになる。
[位置(S/N、緯度(度、分、秒の小数1桁まで)、E/W、経度(度、分、秒の小数1桁まで))]
[高さ(標高、または水深(マイナス表現))]
・ 地名
[位置]
[地名]
・ 物標
[識別(灯台、ブイ、地上目標物、etc)]
[固有番号(灯台番号、ブイ番号など固有の番号を付与する:キー)]
[名称]
[位置]