日本財団 図書館


4.4 情報システム構築に必要な技術的諸対策

 

4.4.1 データベース概要

(1) データベースとは

もともと"データベース"とは、1950年代にアメリカ国防省がそれまで各地に点在していた兵器、軍事物資などの管理を一ヵ所に集中させるために作られた"データ基地"を指していた。現在、私たちが知っているデータベースとは程遠く、各地から送られてくる情報をただ単純にコンピュータを使って処理するといったものであった。

1960年代になると、データ処理の統合の必要性が高まり、さまざまな業務用データを統合して処理されるようになった。これが現在のデータベースの始まりといわれる。

データベースとは、重複しないようにお互いに関連性のあるデータを集め、それを構造化してデータの検索や参照、更新、削除などいろいろな目的に対して効率的に使えるようにしたデータの集まりのことをいう。最近ではパソコンなどの普及や、ユーザー数の大幅な増加、データのマルチメディア化などにより、データベースシステムの拡張、簡易化も進み、過去のものと比べると複雑、多様化している。

次に、データベースとユーザーとの間に介在しデータベースの管理を専門に行なうソフトウェアシステム"データベース管理システム"(DBMS)について説明する。"データベース管理システム"は、データベースを操作、運用、保守するソフトウェアとして定義されている。オペレーティングシステムや一般的なアプリケーションプログラムから独立して、データベースヘのアクセスを行なう。

この"データベース管理システム"の役割として以下の機能があげられる。

・ データベース定義

データベースの仕様、構造の定義を行なう機能。

・ データベース操作

データベースを構築したり、再構成する機能。使用者のデータベース操作を支援する機能。

・ データベース制御

セキュリティ機能。障害回復機能。データの保全。

 

(2) データベースの分類

データベースの構築や管理を行なう場合、処理方式やお互いのデータとの関連性、各々のデータ特性などにより様々な構造を考慮しなければならないが、これらから見て以下のように3つに分類することができる。

1) 階層データベース

関連するデータをまとめ、そのまとめたもの(セグメント)を親子として考え、階層構造で扱ったデータベース。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION