4.3.5 SEA-NACCS(海上貨物通関情報処理システム)の現状
現在、港湾物流関連のネットワークとして幾つかのシステムが稼働している。
その中で、効率化・高度化面で今一番注目を浴びているのは、「海上貨物通関情報処理システム」(いわゆる次期Sea-NACCS)である。
このシステムが平成11年10月に稼働されると、官民を包含した一大物流ネットワークが完成され、陸側の主要な物流支援システムと位置づけられる。
ここでは、海上貨物情報処理センターから公開されている情報に基づき、次期Sea-NACCS概要、動向、開発スケジュール、導入効果について述べる。
(1) 海上貨物通関情報処理システム(通称「Sea-NACCS」)
海上貨物通関情報処理システム(通称「Sea-NACCS」:Sea-Nippon Automated Cargo Clearance System」という。)は、平成3年に海上貨物の通関手続を迅速かつ的確に処理する目的で、大蔵省関税局・税関と通関業界及び銀行業界との間で開発された、官民共同利用のシステムであり、通関業界・税関・銀行が参加・稼働し、8年間のシステムライフを終え平成11年10月に新たに船社(船舶代理店)・保税蔵置場(CY、倉庫等)の参加により次期Sea-NACCSが稼働を開始する。
現行Sea-NACCSでは、通関業者・税関・銀行の3業界という狭い範囲でのシステムネットワークにより輸出(入)申告から輸出(入)許可、保税運送等を柱とした申請・許可手続きのシステムに過ぎず、システム化の効用を最大限には引き出せないものとなっている。
これに対し次期Sea-NACCSでは、船社・保税蔵置場の参加により本船の入出港の手続き、輸入貨物の船卸しから国内引き取り及び輸出貨物の保税地域搬入から船積みまでの一連の税関手続をシステム化することにより、港湾物流における業務処理の一層の迅速化、効率化を図る総合的な物流システムが構築される。
(2) 次期Sea-NACCSの動向
1) 次期Sea-NACCSに関する最新情報は、NACCS通関情報処理センターホームページ(http://www.naccs.go.jp/)で公開(平成9年12月2日開設)。このホームーページでは、次期Sea-NACCSに関する各種最新情報が公開されている。特に、新着情報として、各種説明会開催案内や業務詳細内容の更新情等がインターネット上のホームページで公開されているため、最新情報を全国どこからでも入手できる。また、業務詳細仕様、業務フロー、EDI詳細仕様、システム接続試験等に関する情報をPDF(Portable Document Format:アトビシステムズ社)形式でダウンロードできるようになっている。