4.3.2 海事関係機関のインターネット活用
(1) インターネットの概要
コンピュータネットワークは一対一の回線接続から始まり、情報を小さな断片に区切る情報(IP:Intenet Protocol)とその情報を正確にする再調整情報(TCP:Transmission Control Prot?tol)及びそれらをコントロールするルータによって回線を多数のコンピュータで共用できるローカルエリアネットワーク(LAN)ができた。この情報を外部専用回線や電話回線で利用できるように、コンピュータを特定する取り決め(URL:Uniform Resource Locator)、情報を発信するコンピュータ(サーバー)と受信するコンピュータ(クライアント)の情報交換の取り決め(HTTP:Hiper Terminal Transfer Protocol)及びデータの書き方についての取り決め(HTML:Hiper Text Markup Languageや XML:Ex-tensible Markup Language)によって、世界中のコンピュータが連携できるワールドワイドウェブ(WWW:World Wide Web)が可能となった。このサーバー・コンピュータ(DNS:Domain Name System)は、組織内のプロバイダーまたはクライエントへのサービスをする外部の商用プロバイダーにあり、利用登録してアカウントを得たパソコンはそれを介してWWWが利用できる。プロバイダーは複数のアクセスポイントをもち、その間をデジタル専用回線でほぼ無制限で利用できるために、クライエントの回線使用料はアクセスポイントまでの公衆電話回線料金とプロバイダーの契約使用料となり、世界中との情報通信が近郊と全く同額となる。船舶では通信コストに多少問題はあるが、移動電話などを利用すれば、比較的安価に誰にでも利用できるので、有力な手段と考えられる。
このようなインターネットでは、ファイルヘのアクセスや転送方法の定めに従って情報を交換する電子メール、蓄積した情報を広く公開できるウェブサイト(ホームページ)が主に利用されている。電子メールは、文字情報をそのままデータとして扱えるし、あるいは文字と画像はファイルとして送付でき、編集やデータ化できるといったメリットが明確であるために急速に普及している。次に発達しているのはホームページで、現在の通信速度や容量、利用料金からして最も注目されている。ホームページのマルチメディア、電話やテレビ会議に代表されるリアルタイムコミュニケーションなどへの展開も期待されている。
現在のホームページは、提供情報閲覧、情報索引・検索、外部情報リンク、情報交換などであり、最近注目されているのは、質問の取り込みとその説明情報の掲載、検索機能の提供、外部提供情報の導入とリンク、掲示機能、サービス登録、ショッピング、バンキング、チャット機能など、インタラクティブといわれる双方向の情報交換の特性が注目されている。これらの機能を持ったホームページの構造の代表例は図4-6のようである。
大きく分けて左から、データベースやイベントの検索と内容紹介、広告やウェブサイト提供、電子メールやチャットなどによる情報交換機能の系列があり、それぞれにはまた多くのサービス内容が用意されている。