4. 調査検討の結果
4.1 情報システムの構築
4.1.1 構築の手順と設計の基本コンセプト
(1) 構築手順
システム構築の方法として、帰納法的な方法と演繹法的な方法の二つの方法が考えられる。その特徴は以下のようにまとめられる。
・ 帰納法的な方法の特徴
─現状志向法とも呼ばれ、細かい仕事に適している。
─現状調査→問題の把握→改善案の作成というプロセスをとる。
─早急な運用が可能である。
・演繹法的な方法の特徴
─目的志向とも呼ばれ、大規模で根本的な問題への適用が効果を上げることができる。
─対象業務のあるべき姿(目的・役割・構成)の抽出→現状調査→差異(ギャップ)の明示→解決方法の考案、というプロセスをとる。
─理想システムを基盤としているので、応用に時間がかかりすぎる。
この二つの方法は対立するものではない。演繹的な方法でも現実を無視することはできず、帰納法的な方法でも全く理想を持たないわけにはいかない。
システムの開発には、
・ 構築計画(基本計画)
・ 概要設計(ロジカル設計)
・ 詳細設計(フィジカル設計)
・ システム開発
というプロセスをとる。この場合、構築計画は演繹法的な方法で進め、概要設計は演繹的な方法と帰納法的な方法の接点となり、詳細設計から帰納法的な方法を中心に行うことになる。
情報システム構築の諸段階を計画フェーズ、設計フェーズ、開発フェーズおよび運用フェーズの四つに分けて考える。
1] 計画フェーズ
計画フェーズは、
・ 構想立案
・ 調査分析
・ 基本計画
の三つのステップに分けられる。