また広島商船高等専門学校では、練習船による「瀬戸内海体験航海」などの公開講座の取り組みも行われており、これらとの協力・連携も考えられる。
・ 海洋環境改善・浄化関連
当分野への地区内の舶用工業事業者の関心は高く、大手の環境関連企業が立地している関連から、因島地域を中心に舶用工業事業者における環境関連分野への事業多角化の事例も多くみられる。
(広島県西部・山口県東部地区)
・ 海洋環境改善・浄化関連
瀬戸内海は世界でも有数の閉鎖性海域であり、工業技術院中国工業技術研究所や広島県立西部工業技術センターなど、当地域の沿岸部に立地する研究機関には、海洋環境関連の豊富な研究開発シーズがストックされている。また、呉市では「呉地域海洋懇話会」が設置され、造船や鉄鋼の技術を活かして「海洋」「環境」「産業」をキーワードとした新たな産業の振興方策が検討されているなど、地域における取り組みも活発化している。これらの分野への地区内の舶用工業事業者の関心も高い。
・ 海洋空間開発関連
メガフロート(大型浮体構造物)について、大手の造船及び鉄鋼17社が共同で設立したメガフロート技術研究組合において実証実験が進められているが、瀬戸内海(広湾)へのメガフロートの導入を目指し、呉市で平成8年に「呉メガフロート推進協議会」が設立されるなど、地域としての取り組みが活発化している。メガフロート本体の建設に加え、メガフロートを活用した物流機能、廃棄物受入機能、防災機能などの整備を行っていくに当たって、関連事業の展開が期待される。
○ 異業種交流の推進 (造船・舶用/中国地区全体)
海洋関係を含め、各種の異業種交流会に積極的に参加し、異分野の市場に関する知識を習得する。また、国際マーケットの開拓・海外への販売体制の構築を目指し、海外企業との交流・連携の拡大、情報収集を共同で進める。
◎ 産学連携による海洋関連懇談会の設立 (造船・舶用/中国地区全体)
造船・舶用関連に加え、水産・海洋環境・海洋エネルギー・海洋空間創出など海洋関連の幅広い分野の調査研究を行っている研究機関との産学交流・連携を深めるため、海洋関連懇談会を設立し、中小造船所、舶用工業事業者の技術開発活動や事業多角化の促進を図っていく。