日本財団 図書館


(1) 将来像「企画提案型産業」を実現するための方策

将来像「企画提案型産業」を実現するための方策について、4つの基本的方向に基づきながら以下のように設定する(各方策のカッコ内は対象業種及び地区を表す)。

 

[方向1]] 新造船に関する企画・開発力の強化

○ 省力運航等に対応した新造船の企画・開発 (造船/瀬戸内海3地区)

安全レベルの向上、居住区の快適性の向上、運航経済性の改善、荷役性能の向上など、内航船に求められている諸要件を達成する新造船(省力運航船、定時性の高い船、モーダルシフト対応船など)の企画・開発を推進する。

また、現在、運輸省ではモーダルシフト推進施策の一環として、モーダルシフト対応型次世代内航船の導入について検討を行っており、こうした新たな企画・開発の動向に対し、中国地区の中小造船・舶用工業が協力・連携して、積極的に働きかけていくことも検討する。

○ 新型漁船の企画・開発 (造船/山陰地区)

漁獲量の減少により苦況が続く漁業に対し、漁具・漁法、船型の改良、居住区の快適性の向上、運航経済性の改善、共同発注による割引システムなど、漁船建造の多面的な企画・提案を推進する。

また、各県や漁業協同組合が行う各種モデル漁船の建造や小型漁船の開発などの施策に対して積極的に企画立案活動を行い、新規受注の拡大を図る。

◎ 荷主・オペレーター・船主との船舶ニーズ懇談会の開催 (造船・舶用/中国地区全体)

造船所や舶用工業事業者、荷主・オペレーター・船主が一堂に会する懇談会を開催し、交流機会を拡大して意見を幅広く聞く機会を設けることによって、造船所や舶用工業事業者の企画・提案意欲を高めていく。

※ 「荷主・オペレーター・船主との船舶ニーズ懇談会の開催」については、舶用工業の方策としても挙げている。

 

[方向2]] コスト競争力の強化

○ 建造・修繕体制の装置化・近代化 (造船/中国地区全体)

CAD/CAMやNC切断機、自動溶接機の導入など、作業の機械化・自動化を推進し、生産性の向上・労働コストの削減を図る。機器の導入に際し、単独の事業所では購入・維持が困難な場合は、他社と協力・連携し、機器の共同利用や他社の加工引き受けなど、効率的な活用の仕組みづくりについて検討する。

また造船のような受注生産の現場におけるFMS(フレキシブル・マニュファクチャリング・システム、多品種少量・変種変量生産を志向した自動生産システム)の導入の可能性について検討する。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION