日本財団 図書館


3. 造船・海運関連施策の動向

 

(1) 造船関連施策の動向

1] 海運造船合理化審議会意見書に基づく対策の推進

海運造船合理化審議会造船対策部会において、平成8年7月に意見書「今後の造船業及び舶用工業のあり方について」、平成9年12月には補足意見書「今後の造船業及び舶用工業のあり方について(中小造船業対策等)」がまとめられ、平成10年度より全ての対策が実施されている。

 

補足意見書「今後の造船業及び舶用工業のあり方について(中小造船業対策等)」(平成9年12月)の概要

1. 高度情報化による業務革新わが国造船業・舶用工業は、高度情報化を一層推進し、造船関連産業全体として企業間の情報伝達効率等の向上を図る必要がある。

2. 研究基盤の整備海洋汚染防止、地球温暖化対策等の社会ニーズに対し、造船・海洋技術によるブレイクスルーを図るための研究開発体制を整備する必要がある。

3. 中小造船業及び関連舶用工業の対策

(中小造船業の対策)

(1) 構造改善

1] 生産規模の適正化

需給不均衡を解消し、需要構造の変化に対応するため、長期的に過剰となる20〜30%の造船設備について、造船業基盤整備事業協会による買収制度の活用も図りつつ、遅くとも平成12年度中までに、原則として基数単位で削減し、生産規模の適正化を図る。

2] 技術基盤の強化

需要構造の変化等に対応するため、新船型の供給が可能となるような技術力の強化、共同技術開発、技術提携の促進を図る。

3] 生産基盤の強化競争力を確保するため、自動化設備投資を促進するとともに、企業間の生産協力を図る。

(2) 新規需要の開拓

当面の仕事量を確保するため、大手・中手造船事業者からのブロック製造等の受注の拡大や地域の実情に応じた新規事業分野への進出を図る。

(3) 雇用の安定

雇用の安定を図るため、関係省庁、地方自治体等が連携しつつ雇用対策を図る。

(舶用工業の対策)

(1) 経営基盤の強化地域産業集積活性化法等を活用しつつ、生産設備の近代化、企業連携、事業の多角化等を促進し、併せて舶用機器の一層の標準化を推進することにより、経営基盤の強化を図る。

(2) 内航船関連舶用機器の研究開発の活性化共同研究等により研究開発を活性化することにより、情報技術、システム化技術等を用いた舶用機器の高度化を図る。

(3) 中小舶用工業事業者の経営の安定需要減退に伴う取引不安化等に対し、中小舶用工業事業者の経営の安定を図るため、必要に応じ信用補完のための措置を講ずる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION