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3] 中小造船業の生産コスト構造

全国の中小造船業の年間生産コストの平均額を造船所の規模別(下表注参照)に見ると、造修能力3,000総トン以上10,000総トン未満の造船所(Aグループ)では総建造費用が58億円、造修能力500総トン以上3,000総トン未満(Bグループ)では17億円、造修能力500総トン未満(Cグループ)では6億円となっており、造修する船舶の規模に応じて大きな差が現れている。

コスト項目別構成比により、各グループの生産コスト構造を見ると、いずれのグループでも最も大きなコスト項目である直接材料費が全体のおよそ5割を占めている。直接材料費、社外工直接労務費、外注加工費の3項目の合計費用は、中小造船業の中でも、規模の大きい造船所グループほど大きい傾向が見られ、Aグループでは8割に達している。

反対に、規模の小さい造船所では間接費の占める割合がやや高くなっており、間接部門の経費削減が課題となっている。また、中小造船業の中では中堅に当たるBグループでは、外注加工費の割合が非常に高く、その他のグループに比べて積極的にアウトソーシングを行っている状況が窺える。

 

中小造船業の生産コスト構造(1996年度)

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(注)

Aグループ:造修能力が3,000総トン以上10,000総トン未満(サンプル数23)

Bグループ:造修能力が500総トン以上3,000総トン未満(サンプル数51)

Cグループ:造修能力が500総トン未満(個人及び5人未満の法人を除く)(サンプル数92)

(資料)運輸省海上技術安全局「船舶(総トン数が1万トン以上のものを除く。)の製造又は修理業の実態調査報告書(平成10年3月)

 

 

 

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