(資料)今回アンケート調査
2] 中小造船業の労務状況
わが国の造船業は、第一次石油危機を契機とする70年代後半の第一次造船不況、そして85年のプラザ合意以降の円高を背景とした第二次造船不況と二度にわたる深刻な不況を体験したが、この時期の人員削減・新規採用の抑制によって、国内の造船業(鋼船造船所)の労働者数は、80年代前半から後半にかけて、大手を中心におよそ17万人から8万人台にまで半減した。
これらの変化は、各造船所の従業員の年齢構成にも大きな影響を与えた。96年の国内造船業の年齢構成を全産業平均及び製造業平均と比較すると、40歳代の割合が著しく高く、10年後には50歳以上の割合が大幅に高まることは明らかである。
しかし、特に規模が小さく、労働環境の悪いイメージを持たれている中小造船所では、なかなか若手の人材を確保できず、労働力不足を訴えている企業が多い。平成9年度に財団法人日本小型船舶工業会が行った調査では、36.3%の企業が労働力が「不足している」と答えている。