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(2) 国内の造船業の生産動向

わが国の造船業は、プラザ合意に端を発する円高や、韓国をはじめとする造船新興国の台頭などによって、1980年代後半に、かつてない厳しい状況に追い込まれたが、1989年以降は、VLCCを中心とするタンカーのリプレース、アジア経済の急成長に伴う大型貨物船の大量発注などにより、国内鋼船建造量は増加傾向が続いている。こうした建造量の増加を支えているのは、もっぱら輸出船であり、国内船の建造量はむしろ減少傾向にあるなど、両者の動向は対照的である。

一方、船価は低迷状態が続いており、国際市場の動向によっては船価低迷が固定化しかねないとの懸念も広まっている。

 

国内における鋼船建造量の推移

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(注)総トン数20トン以上または長さ15m以上の鋼船船舶を対象。

(資料)運輸省「造船造機統計月報」

 

国内における受注船価の推移

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(注)総トン数2,500トン以上の船舶が対象。

(資料)運輸省海上技術安全局資料

 

 

 

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