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2. 世界の造船業の動向

 

(1) 造船市場の動向

世界の新造船受注量は、日本と韓国の積極的な営業活動と、船価低迷を見込んだ船主の発注意欲などによって、1997年には3,648万総トンと史上3番目の規模に達した。このうち、日本は1,536万総トンで世界全体の42%を占め、韓国が1,373万総トンで38%を占めた。

世界の新造船竣工量は、1989年以降増加傾向にあり、1997年は日本と西欧諸国の竣工量減少でやや落ち込んだものの、手持ち工事量から推算して1998年には大きく増加すると見込まれる。

ただし、こうした現在の市場の活況は、20〜30年に一度の循環的な需要拡大の色合いが強く、VLCCの代替需要が一巡する2002年以降を境に新造船需要は減少に向かうものと予想されている。

 

世界主要造船国の新造船受注量の推移

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(注)100総トン以上の船舶を対象。

(資料)ロイド統計

 

世界主要造船国の新造船竣工量の推移

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注:

1. 対象はGT以上の商船。

2. ( )内は世界計に対するシェア(%)。ただし、1979年までの第3造船国には韓国を含む。

3. 1995年以降の現実的最大建造能力の増大と従業員の増加、生産向上などを考慮した上限値。

資料:竣工量はロイズ船級協会資料。< >の建造能力の増大と需要は筆者の予測。

(出典)長塚誠治著「1997年の世界の海運・造船の動向と1998年の展望」(海事産業研究所報、1998年6月)

 

 

 

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