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2)取材は上記1)と同じだが、組み立てる前に夫々を別々に曲げる。ウェブ材は、板としての中性軸で図のBのように平曲げきれる。

組立ては1)よりやや面倒だが、逆に曲げ加工量は2材に別れるものの総量でも1)より少ない。

3)ウェブをA形状で取材せず、初めからBの形状で切り出すのである。当然に材料歩留まりは悪くなるが、曲げ加工はFC.PLだけとなる。組立ては上記2)と全く同じである。曲り量が大きいと、この3)の方法でしか製造できない。

 

一般に曲り量に応じて、1)→2)→3)と選択されるが、その条件や範囲は各造船所により異なるはずである。この問題も直接に突き当たる当事者の現図工程が主導して取り決めておくべきだろう。特に1)2)と3)では材料発注と食い違ってはならない。

 

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図2.2.6 ビルトアップフレームの曲げ

 

2.2.6 折り

折り曲げ加工で代表的なものは、フランジ折りであるが、これはFLサイズを型定規に示してあれば明確にできる。[図2.2.4 フランジ折要領]参照。このように標準幅でなくても、折れ線を与えてFLと記しておけば、折度は機械的に直角と判断される。

ただし、このことは逆に折度が非直角なら、FLと扱わないことを意味する。つまり、設計図ではFLと指示されていても、型定規では間違いを避けるために、敢えて表示記号は[図2.2.3 曲加工記号の表示位置]●BKTの折れの場合に倣うことにするのである。

 

また、ここで更に注意したいのは、部材の折れは、図面に必ずしも設計の意図として表現されているとはかぎらないことである。ここらの事情は、別書『造船現図展開』に示したが、再説すると:-

●空間にある4辺形は必ずしも1平面上にはない。

●だが3角形は必ず1平面上にある。したがって4辺形の対角に筋交いをいれて、2つの3角形に分ければ、筋交いはそれぞれの属する2平面の交線となる。交線とは、つまり折れ線であり、4辺形は可展面となる。

 

 

 

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