備考 1. 〇は、対象物の区分の欄に掲げる建築物その他の工作物、電気設備及び第1類から第6類までの危険物に、当該各項に掲げる第1種から第5種までの消火設備がそれぞれ適応するものであることを示す。
2. 消火器は、第4種の消火設備については大型のものをいい、第5種の消火設備については小型のものをいう。
3. りん酸塩類等とは、りん酸塩類、硫酸塩類その他の防炎性を有する薬剤をいう。
4. 炭酸水素塩類とは、炭酸水素塩類及び炭酸水素塩類と尿素との反応生成物をいう。
【解説】
3. 消火設備の設置
事業場において火災が発生したとき、消火が著しく困難と認められる場合を割愛して、消火が困難と認められる場合及びその他の場合のそれぞれにおける消火設備の設置の基準は、おおむね次のとおりである(危政令第20条、同別表第5)。
(1) 消火設備の設置基準
ア. 消火が困難と認められる場合
事業場において、この場合に該当する一般取扱所及び屋内貯蔵所は、おおむね次に掲げるとおりである(危政令第10条、同第20条、同別表第5、危規則第16条の2の3、同第28条の55、同第34条から同第36条まで)。
a. 一般取扱所のうち、前項(省略)に掲げるもの以外のもので、次のいずれかに該当するもの
1] 指定数量の10倍以上の危険物を取り扱うもの
2] 延べ床面積が600m2以上のもの
3] 吹付塗装作業等の一般取扱所(危規則第28条の55第2項)
b. 屋内貯蔵所のうち、前項(省略)に掲げる以外のもので、次のいずれかに該当するもの
1] 危規則第16条の2の3第2項の屋内作業所(特定屋内作業所)にあっては、指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱うもの
2] 1]以外のものにあっては、指定数量の10倍以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱うもの
3] 貯蔵倉庫の延べ床面積が150m2を超えるもの
4] 危政令第10条第3項の屋内貯蔵所(指定数量の倍数が20以下のもので、屋内貯蔵所の用に供する部分以外の部分を有する建築物に設けるものに限る。)。
これらの防火対象物の消火設備の設置基準は、次に掲げるとおりである(危規則第条)。
i 第4種の消火設備をその放射能力範囲が建築物その他の工作物及び危険物を包含するように設け、並びに第5種の消火設備をその能力単位の数値が危険物の所要単位の数値の5分の1以上になるように設けること。
ii 第1種、第2種又は第3種の消火設備を設けるときは、前記の規定にかかわらず、当該設備の放射能力範囲の部分について第4種の消火設備を設けないことができる。
イ. その他の場合
前2項で定める以外の一般取扱所、屋内貯蔵所等にあっては、原則として表6-2に掲げる対象物について、同表においてその消火に適応するものとされる消火設備のうち、第5種の消火設備を、その能力単位の数値が建築物その他の工作物及び危険物の所要単位の数値に達するように設けること(危規則第35条)。
電気設備の消火設備前各項のほか、電気設備のある場所の面積100m2ごとに1個以上設けること(危規則第36条)。
(2) 防火対象物等の所要単位
防火対象物等の所要単位は、消火設備の設置の対象となる建築物その他の工作物の規模又は危険物の量の基準の単位をいう(危規則第29条)。
所要単位の計算方法は、おおむね次のとおりである(危規則第30条)。
ア. 取扱所 取扱所の建築物は、外壁が耐火構造のものにあっては延べ面積100m2、外壁が耐火構造でないものにあっては延べ面積50m2を1所要単位とすること。
イ. 貯蔵所 貯蔵の建築物は、外壁が耐火構造であるものにあては延べ面積150m2、外壁が耐火構造でないものにあっては延べ面積75m2を1所要単位とすること。
ウ. 製造所等の屋外にある工作物は、外壁を耐火構造とし、かつ、工作物の水平最大面積を建坪とする建築物とみなしてイ.の規定により所要単位を算出すること。
エ. 危険物は、指定数量の10倍を1所要単位とすること。
(3) 消火設備の能力単位
消火設備の能力単位は、前項2で示した所要単位に対応する消火設備の消火能力の基準の単位をいう(危規則第29条)。
第5種の消火設備の能力単位の数値は、消火器の技術上の規格を定める省令(昭和39年自治省令第27号)によるほか、表6-3のとおりである(危規則第31条、同別表第2)。