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【基準】

 

3. 危険物の貯蔵所及び取扱所の設置

(1) 危険物の貯蔵所及び取扱所の区分

事業者は危険物の貯蔵所又は取扱所を設置しようとするときは、貯蔵所又は取扱所ごとにそれぞれの区分に応じ、許可を受けなければならない。

貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更しようとするときも同様とする。

上記の許可を受け、貯蔵所又は取扱所を設置したとき又は貯蔵所若しくは取扱所の位置、構造若しくは設備を変更したときは、原則として当該貯蔵所又は取扱所について完成検査を受け、基準に適合していると認められた後でなければこれを使用してはならない(法第11条、同第11条の2、同第11条の4)。

少量危険物及び表2-1で定める数量の5倍以上(可燃性固体類等及び合成樹脂類にあっては、同表で定める数量以上)の指定可燃物を貯蔵し、又は取り扱おうとする事業者は、あらかじめ、その旨を消防長(消防署長)に届け出なければならない。貯蔵及び取扱いを廃止する場合も同様とする(条例第46条)。 

貯蔵所又は取扱所の譲渡又は引渡しがあったときは、譲渡人又は引渡しを受けた者は、上記の許可を受けた者の地位を継承する。

この場合において、上記の許可を受けた者の地位を承継した者は、遅滞なくその旨を市町村長等に届け出なければならない(法第11条)。 

事業者は、事業場の位置、構造及び設備が所定の基準に適合するように維持しなければならない(法第12条)。 

(2) 屋内貯蔵所の技術上の基準

事業者は屋内貯蔵所の位置、構造及び設備が所定の技術上の基準に適合するよう設置する。

 

【解説】

 

3. 危険物の貯蔵所及び取扱所の設置

(1) 危険物の貯蔵所及び取扱所の区分

ア. 貯蔵所の区分

事業場において関連のある貯蔵所は、主として屋内貯蔵所又は少量危険物屋内貯蔵所である。

危険物の貯蔵所の区分は、次のとおりである(危政令第2条)。

a. 屋内貯蔵所

b. 屋外タンク貯蔵所

c. 屋内タンク貯蔵所

d. 地下タンク貯蔵所

e. 簡易タンク貯蔵所

f. 移動タンク貯蔵所

g. 屋外貯蔵所

イ. 取扱所の区分

危険物の取扱所の区分は、おおむね次のとおりである(危政令第3条)。

a. 給油取扱所

b. 第1種販売取扱所

c. 第2種販売取扱所

d. 移送取扱所

e. 一般取扱所

前号までに掲げる取扱所以外の取扱所

事業場における大方の危険物取扱所は、一般取扱所又は少量取扱所である。

(2) 屋内貯蔵所の技術上の基準

事業場における屋内貯蔵所の位置、構造及び設備の技術上の基準は、おおむね次のとおりである(危政令第10条)。

ア. 屋内貯蔵所の位置は、別に定める製造所の位置の例によるものであること(危政令第9条)。

注。別に定める製造所の位置については、以下の3を参照。

イ. 危険物を貯蔵し、又は取り扱う建築物(以下「貯蔵倉庫」という。)の周囲に、次の表に掲げる区分に応じて、原則としてそれぞれ同表に定める幅の空地を保有すること(一部抜粋)。

 

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ウ. 屋内貯蔵所には、見やすい箇所に屋内貯蔵所である旨を表示した標識及び防火に関し必要な事項を掲示した掲示板を設けること(危規則第17条、同第18条)。

エ. 貯蔵倉庫は、独立した専用の建築物とすること。

オ. 貯蔵倉庫は、原則として不燃材料で造るとともに、延焼のおそれのある外壁を出入口以外の開口部を有しない壁とする。

カ. 液状の危険物の貯蔵倉庫の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適当な傾斜をつけ、かつ、ためますを設けること。

キ. 貯蔵倉庫に架台を設ける場合、架台の構造及び設備は、不燃材料で造り、堅固な基礎に固定する等所定の基準に適合するものであること(危規則第16条の2の2)。

ク. 貯蔵倉庫には、危険物を貯蔵し、又は取り扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設けるとともに、引火点が70度未満の危険物の貯蔵倉庫にあっては、内部に滞留した可燃性の蒸気を屋根上に排出する設備を設けること。

ケ. 電気設備は、別に定める製造所の電気設備の例によるものであること(危政令第9条)。

注。別に定める製造所については、以下の3を参照。

コ. 指定数量の10倍以上の危険物の貯蔵倉庫には、原則として規定の避雷設備を設けること(危規則第13条の2)。

など。

以上のほかにも、事業場における屋内貯蔵所のうち指定数量の倍数が20以下のもの(屋内貯蔵所の用に供する部分以外の部分を有する建築物に設けるものに限る。)及び指定数量の倍数が50以下のもの(特定屋内貯蔵所)については、基準の特例が定められている(危政令第10条、危規則第16条の2の3)。

 

 

 

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