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【基準】

 

9. 有機溶剤作業主任者等

事業者は、労働災害を防止するために必要とする作業につき、都道府県労働基準局長の免許を受けたもの、又は労働基準局長若しくはその指定するものが行う技能講習を終了したもののうちから、当該作業の区分に応じて有機溶剤作業主任者等の作業主任者を選任し、その作業に従事する従業員の指揮その他の事項を行わせる。

(1) 有機溶剤作業主任者

有機溶剤中毒予防規則に定めるところにより、作業場ごとに有機溶剤作業主任者を選任する。

(2) 有機溶剤作業主任者以外の作業主任者

労働安全衛生施行令第6条定めるところにより、各作業ごとに該当する作業主任者を選任する。

 

10. 安全衛生委員会

事業者は、従業員の危険防止対策の事項及び従業員の健康管理対策を調査・審議させ、事業者に対し意見を述べるために安全衛生委員会を設けなければならない。

 

【解説】

 

9. 有機溶剤作業主任者等

安衛法は労働災害を防止するための管理を必要とする作業で安衛令で定めるものについては、資格を有する者のうちから作業主任者を選任し、その作業に従事する従業員の指揮その他の事項を行わせることとしている。

そのうち、FRP造船にも関連することの有る作業を抜粋してみると

a. アセチレン溶接装置又はガス集合溶接装置を用いて行う作業

b. ボイラーの取扱いの作業

c. 木材加工機械を5台有する事業場において行う作業

d. 特定価額物質を取扱う作業(ウレタン原液:TDI)

e. 酸素欠乏危険場所での作業(船倉、二重底内)

f. 屋内、タンク内等における有機溶剤取扱い作業(成型作業、洗浄作業)

等が有り、それぞれの作業について、都道府県労働基準局長の免許を受けた者又は都道府県労働基準局長若しくは都道府県労働基準局長の指定する者が行う技能講習を終了した者のうち技能講習を終了した者のうちから作業主任者を選任しなけれればならない。

(1) 有機溶剤作業主任者

有機則ではアセトン、スチレン等第2種有機溶剤を60g/時以上を屋内作業場等で取扱う場合は、作業場毎に、有機溶剤作業主任者を選任することなっている。このため積層工場艤装工場とが別々に区画された場所で、それぞれ有機溶剤を60g/時以上使う場合は、それぞれの場所毎に有機溶剤作業主任者の選任が必要になる。

(2) 有機溶剤で作業主任者を選任したときは安衛則18条により作業主任者名、職務事項を作業場の見やすい箇所に掲示して関係者に周知させることを義務づけている。

 

10. 安全衛生委員会

労働安全衛生法には常時50人以上の従業員を使用する事業場は、従業員の危険防止対策等の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べるための安全委員会を設けるもの定めている。

また、従業員の健康管理の対策を審議させ、事業者に対し意見を述べるための衛生委員会を設けるものと定めている。

本指導基準は労衛法第19条に準じて、それぞれの委員会に代わる安全衛生委員会を設けることを推奨する。安全衛生委員会は、次の項目を審議し、事業者に対し意見を述べるものとする。

(1) 安全に関する審議事項

ア. 従業員の危険を防止するための基本となるべき対策。

イ. 労働災害の原因と対策及び再発防止対策で安全にかかわる事。

ウ. その他、従業員の危険を防止に関する重要事項。

(2) 衛生に関する審議事項

ア. 従業員の健康管理を防止するための基本対策。

イ. 従業員の健康の保持増進を図るための基本卓作。

ウ. 労働災害の原因と対策及び再発防止策で衛生にかかわる事。

エ. その他、従業員の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項。

(3) 安全委員会の構成

安全衛生委員会の委員は次の者又はそれに準じた者によって構成する。

ア. 安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者

イ. 安全管理者

ウ. 衛生管理者又は安全衛生推進者及び産業医

エ. 労働組合の代表又は推薦する者。

オ. 下請け業者の安全衛生責任者又は代表安全衛生責任者。

カ. その他、事業者に指名する安全及び衛生に関し経験を有する者。

安全衛生委員会は毎月、月1回の割合で開催し、事業場内の現状を視察調査した後に問題を提起し、対策を審議して実施方法をまとめ、担当者及び実施時期まで調整した上で議事録として3年間保存しなければならない。また、安全衛生委員会の開催に際して、前回の議事録の確認とともに、対策の実施状況を報告する義務を負うもとする。

安全衛生委員会は事業場内に形として存在するだけでなく、事業場における労働災害の防止と、より良い作業環境の整備のための実施部隊と位置付けし、具体的に機能させなければならず、そして維持・継続することが重要である。

 

 

 

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