【基準】
5. 安全衛生責任者
事業者は、事業場内で請負契約をしている下請け業者に安全衛生責任者を専任させなければならない。
【解説】
*産業医の選任
法では常時50人以上の従業員を使用する事業者は医師の中から産業医を選任し、従業員の健康管理を行わせなければならないと定められている。
本指導基準では産業医の義務付けは行わないが、事業者が産業医を選任する場合、事業場専属の安全衛生推進者と分担して衛生管理の業務を兼務することができるものとする。
*安全衛生推進者
法では常時10人以上50人未満の従業員を使用する事業者は、事業場専属の安全衛生推進者を選任し、衛生管理者が行う業務のうち衛生管理に関する業務(医師が行う健康診断、健康管理以外の業務)に限って担当させなければならない。
5. 安全衛生責任者
労働安全衛生法施行令に総括安全衛生責任者を選任すべき業者として、造船業の事業場で請負契約をしている常時50人以上の下請け業者が指定されている。50人未満の下請け業者には安全衛生責任者の選任義務がある。
本指導基準では5人から20人規模の下請け業者を想定し、事業場内で請負契約をする下請け業者ごとに安全衛生責任者を選任して、事業者又は安全衛生管理者に届け出の義務を負わせるものとした。
下請け業者が2者以上ある場合は、それぞれ安全衛生責任者を選任した上で、安全衛生責任者間の互選により代表安全衛生責任者を選任できるものとする。代表安全衛生者は事業場の安全委員会、衛生委員会の審議に参加し、意見を述べることができるものとする。
安全衛生責任者が行わなければならない事項は、事業場の安全衛生管理者が行う事項を下請け業者の従業員の規模で行うもので、事業場の安全衛生管理者と協力して従業員の安全衛生、労働災害防止に努めなければならない。