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3.2 単気筒機関による燃焼試験の解析結果

(1) NOx計測結果

図4に、燃料をA〜Eに変更させ、標準燃料Cを基準とした場合の、NOx13増加率を示す。負荷50〜100%の中高負荷においては、セタン指数41の燃料BでNOx13は約1.07〜1.08倍、セタン指数36の燃料Aでは、約1.13〜1.18倍となる。負荷10〜25%の低負荷においては、燃料Bで約1.19〜1.26倍、燃料Aで約1.35〜1.43倍となり、燃料D、Eと比較して、排出NOx値が著しく増大する。

 

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図4 単気筒機関燃焼試験 セタン指数とNOx13増加率

 

(2) NOx値のテストサイクル計算結果

IMOテクニカルコードにおいて規定されている、D2モードおよびE2モードのテストサイクルで計算したNOx値を図5に示す。図は、標準燃料Cを基準とした場合のD2、E2各モードにおけるNOx値の変化割合を見たものである。

D2モードにおいて、燃料Bで2.4g/kWh、燃料Aで4.7g/kWh増加する。また、E2モーにおいて、燃料Bで1.5g/kWh、燃料Aで3.2g/kWh増加する。E2モードよりもD2モードのほうがセタン指数低下に伴うNOx値増分量は大きい。これは、D2モードのほうが、低負荷におけるNOx値のテストサイクルの重み係数が大きいためである。

燃料のセタン指数が40以下になると、低負荷域におけるNOx排出量が増大し、特に、D2モードではNOx値増加に与える影響が非常に大きい。

 

 

 

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