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図5 単気筒機関燃焼試験 D2、E2モードNOx変化量(Fuel Cを基準)

 

4. 成果

 

4.1 まとめ

本調査研究の実施範囲内で下記のことがわかった。

(1) 2台のコージェネ機関の排出NOx値の追跡調査において、それらの排出NOx値の変動幅は、1996年6月から12月までの6ヶ月間で300〜400ppm程度であった。そして、季節的な排出NOx値の変動の存在を確認した。

(2) それら機関の時系列NOxデータの解析において、IMO補正式に含まれる影響因子の補正係数と本解析での結果を比較すると、定量的な一致が見られていない。

(3) 単気筒機関を用いた5種類の燃料油変更試験では、燃料のセタン指数が40以下になると排出NOx値が顕著に増加した。そして機関の負荷率の低下とともに、重量換算NOx値(g/kWh)が著しく大きくなる。

(4) IMO認証試験を想定し、MARPOL73/78条約附属書に記載される予定のNOx排出制限値との適合の際に、ディーゼル機関の認証陸上試験の燃料油の選定に充分な留意が必要である。

 

4.2 今後の課題

本調査研究の結果を踏え、今後の課題について、下記に示す。

(1) IMO補正式の定量的確認を実施するために、1年間を通した排出NOxデータの採集とその分析。

(2) 機関の排出NOx値の補正因子に、燃料油種の影響が相乗的に加わったときの変化量の把握。

(3) 季節的に変動するNOx排出値に対して、機関諸元や、運転負荷率などが与える影響度合の把握。

などを明らかにすることが重要であると考えられる。

 

 

 

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