実測ねじれ角
I=(実測値)-(慣性力成分)

寄与率による分解
VII'=I×VI'×補正係数

有効長さによるトルク換算
VIII'=VII'/有効長さ

図20 寄与率によるトルク演算処理(No.2シリンダ)
3.7 燃料弁ノズルチップ噴口の目詰まり運転時の解析及び診断結果
3.7.1 寄与率方式によるトルク解析結果
燃料弁ノズルチップの噴口を2穴詰まりにして100%負荷運転したときの寄与率方式によるトルク解析結果を図21に示す。トルク解析結果は、シリンダ内ガス圧力の変化を明確に捉えていることが認められる
機関正常状態

No.1cyl燃料弁詰まり状態

No.2cyl燃料弁詰まり状態

No.3cyl燃料弁詰まり状態

図21 寄与率方式によるトルク解析結果(100%負荷)
3.7.2 4サイクル6シリンダ機関でのシミュレーション
今回の調査研究では3シリンダ4サイクル機関に試験装置を組み込み、提案した異常診断の手法の妥当性を検証し有効性を確認した。ところが、多シリンダ機関では着火間隔が短くなり相互のシリンダ間でのシリンダ内ガス圧の影響度が大きくなる。このことが寄与率演算結果にどれだけ影響を与えるかを確認するため6シリンダ機関を想定してシミュレーションを行った結果を図22に示す。3シリンダと同様十分な精度で異常状態を検知できることがわかる。
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