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3.6 実船への適用検討

前項で示したシリンダ内ガス圧力方式による解析方法では、計測されたクランク軸ねじれ角度を各シリンダ毎のねじれ角度に等価換算する過程で、シリンダ内ガス圧力によって発生するトルクに起因するねじれ角度を計算しておかなければならない。従って、実船に適用する場合は、機関の全ての負荷状態に合わせてこのシリンダ内ガス圧力を検討しなければならず、膨大なデータベースが必要となる。この繁雑なデータベース化の作業を避けるために、シリンダ毎のねじれ角度に等価変換する手法として、それぞれのシリンダがクランク軸全体のねじれ角度に対してどの程度の影響を与えているのかをあらかじめ求めておき、これをベースとして等価変換する手法、即ち寄与率法を検討した。

 

3.6.1 寄与率によるねじれ角度のトルク換算方法

図18は寄与率法によるねじれ角度のトルクへの換算手順を示す処理ブロック図である。

又、図19、20は処理過程における演算結果を図に表したものである。

 

030-1.gif

 

図18 寄与率によるトルク換算処理ブロック図

 

シリンダ内ガス圧力によるねじれ角度合成波形(計算値)

V

030-2.gif

 

各シリンダのシリンダ内ガス圧力によるねじれ角度(計算値)

II' No.2シリンダ

030-3.gif

 

各シリンダの寄与率

VI'=II'/V

030-4.gif

 

図19 寄与率の演算処理(No.2シリンダ)

 

 

 

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