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3.5.4 軸系ねじり振動への考察

機関運転中のクランク軸のねじれ角度には当然軸系企体のねじり振動に起因する成分が含まれることになる。

図16は計測されたクランク軸のねじれ角度と計算によって求められた各シリンダのシリンダ内ガス圧力及び慣性力により発生するトルクに起因するねじれ角度との差、即ち、ねじれ振動波形を示す。本研究ではシリンダ内ガス圧力の異常状態の監視を目的としており、このねじり振動応答も含めての総合評価をしても十分な診断精度が得られると判断して、ねじり振動成分の分離処理は行わなかった。

 

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図16 実測波形と計算波形の差(ねじり振動成分に起因する波形)

 

3.5.5 シリンダ毎のねじり角度の等価変換処理

クランク軸のねじれ角度は全シリンダで発生するトルクによるねじれ角度の合成結果として計測される。異常診断を行うには、まずこの合成されたねじれ角度の波形を各シリンダ毎のトルクによって引き起こされるねじれ角度に分離して、他シリンダによる影響分を排除しなければならない。図17は上述の演算処理過程のブロック図である。尚この処理方法を以下シリンダ内ガス圧力方式という。

 

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図17 シリンダ内ガス圧力による検出ねじれ角度のトルク換算処理ブロック図

 

 

 

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