(d) 留学生
国費留学生については、毎年受入枠を増加させてきているものの、現在まだ1年当たり60〜70名程度である。
(e) その他
特許制度、税関制度、税制に関する短期・長期の専門家を派遣して、これらの制度整備についての講義や助言を実施している。
(3) 電力・運輸
経済発展に伴い、電力需要が急増していることから、1997年まで毎年円借款供与額の約50%を電力開発に充当してきた。主な案件としては、ダニム水力発電所改修、ハムトアン・ダーミー水力発電所、フーミー火力発電所、ファーライ火力発電所、オモン火力発電所などである。
道路に関しては、越南北を縦断する国道1号線、首都ハノイと海の玄関口であるハイフォンを結ぶ国道5号線、またハノイと越北部唯一の大水深港であるカイラン港を結ぶ国道18号線等の円借款を実施してきている。港湾に関しては、ハイフォン港の緊急改修とカイラン港の拡張計画について開発調査を実施し、円借款による資金協力を実施している。また、鉄道に関しては南北縦貫鉄道の老朽化して危険な状態となっていた9つの橋梁に関する緊急改修について円借款を供与するとともに、鉄道整備のマスタープランと優先案件のフィージビリティスタディを開発調査として実施してきている。
(4) 農業
ハノイ近郊の農村の灌漑に関する開発調査を行い、近々無償資金協力が行われるよていである。
(5) 教育・保健・医療
北部から中部にかけて、小学校の建設を無償資金協力で実施中である。また、メコンデルタのカント─大学農学部の校舎・研究教育施設を無償資金協力で整備した。ホーチミン市のチョーライ病院の改修を無償資金協力で実施するとともに同病院の病院管理運営についてプロジェクト方式技術協力を実施中である。さらにハノイ市内のバク・マイ病院に対しても無償資金協力を開始した。また、ゲアン省における母子保健に関するプロジェクト方式技術協力も始まったところである。
(6) 環境
北部及び中部高原において山間部の植林機材供与を無償資金協力スキームで実施するとともに、林業の専門家を派遣し、森林経営のノウハウの技術移転を行っている。