日本財団 図書館


必要以上の高温もジャガイモ等低温を必要とする作物の収穫量の提言をもたらす。また、本年150年降りの超大型のエル・ニーニョ現象が起きている事は、ご承知のことと思いますが、これの影響による経済的な影響については莫大な物に成ることが予想される。

山岳地方では、降水量の影響を諸に受け農業生産量に直接影響する。山岳地帯の南部及び高地は、干ばつに見舞われやすい。一方、豪雨は農作業を困難にし排水の悪い農地の土砂崩れや地滑りを誘う。近年では、アンデス山脈の西側斜面のリマやアンカシュが最も被害を受けている。また、寒気も農作物に甚大な被害をもたらす。

熱帯雨林地方でも、降水量が農業生産量を左右する。雨季の間生ずる比較的短い晴天続きの期間(南半球で6月に起こる)には、河川の水位を低下させ、下流地帯の灌漑用水に影響を及ぼす。他方、高地に降る豪雨土砂崩れや家屋の倒壊の原因となる。集中豪雨はコーヒー、米、果物に甚大な危害をもたらす。

(2) 大気汚染と酸性雨

チンボテ、リマ、パラカス、イロ、オロヤ等の都市では、様々なレベルの郊外と億戦源(各種産業、金属加工業、漁業、鉱業)を抱えているほか、酸性雨も観測されていて、生態系の均衡と人間の健康を破壊している。早急に管理、監視、産業拠点の整理と系統的管理の対策を講ずる必要がある。

(3) 砂漠化

ペルーは、世界で最も砂漠化しやすい地帯に属している。ペルーの乾燥地帯は、沿岸の乾燥地帯と山岳地帯の準乾燥準多湿地帯を含めて、国土の3分の1を占めている(面積の36%、470,147km2)。ここに、ペルーの人口の90%、農業畜産業、工業、鉱業の大半が存在する。沿岸地方の土壌の塩化といった問題は、目下この地方の農地の40%に及んでいる。

一方、山岳地帯は、不適切な土地利用、家宝僕、不適切な技術による鉱業等が原因でその生態系は著しく変化している。同じく、アンデス山脈東側斜面(高地ジャングル「セルバアルト」)も、コカの不法栽培と水利資源の不適当な利用(どちらも土壌の劣化と砂漠化の要因)の被害に遭っている。以上の全てに、その地域自然消耗分を併せると、土地の劣化は全面積の50%〜60%に達するものと推算出来る。砂漠化は基本的に次の事が原因となっている。

● 農牧畜活動

土壌の塩化、水・風・生物による風化、森林の乱伐、過放牧、化学肥料の使用、灌漑システムの欠陥、土地の過剰利用

● 鉱業・工業活動

大気と水質の汚染

●都市廃棄物・都市化

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION