日本財団 図書館


7. 気象部門

 

▼ ペルーの気候の特徴

ペルーは、南緯0度から18度の間に位置し、地理的には熱帯に属するが、アンデス山脈、フンボルト海流及び南太平洋高気圧の影響を受け、極めて多様性に飛んだ気候分布となっている。

気候上からは次のように大別される。

(1) 沿岸地方(コスタ)

アンデス山脈の西側の標高2,000m以下の地帯。広大な乾燥地帯(砂漠)であり、53河川が構成する谷間で、ペルーでは最も進んだ集約農場を行っている。ペルー国土の11%の面積、人口の35%、向上精算の75%、サービス業の50%を占める。気候は非常に乾燥しており、年間の降雨量は約40mm程度である。気温は緯度に相当する平均気温を可成り下回っている。

(2) 山岳地方(シエラ)

標高2,000mm以上のアンデス山脈地方で、起伏が激しく険しい地形である。農業は粗放、閑地農法が主流となっている。年間の降雨量は、約750mm、降雨は春と夏に集中する。また逆にこの時期、可成り長期間に渡り強い干ばつに見舞われることが多い。乾期の間に、標高によっては、強い放射冷却が生じやすくなり、作物に深刻な影響を与える。

(3) 熱帯雨林地方(セルバ)

アンデス山脈の東側の標高2,000m以下のアマゾン川流域地帯。高地地帯からアマゾン川流域までは、標高に応じて様々な地形と気候になっている。年間降雨量は約2,500mmで、降水量の比較的少ない乾期もある。特に北部では雨期の最中に、「小さな夏」と呼ばれる乾期が生ずる事があり、農作物に被害をもたらす。気温は年間を通して高温。南部では「寒波」と呼ばれる冷たい空気が入り、冷害をもたらすこともある。

▼ ペルーの自然災害

(1) 農業

気候が多様性に富んでいるため、様々な作物が栽培されている。

沿岸地方の最大の問題は水不足である。沿岸地方は波線流域及び灌漑地域共に河川や貯水池・ダムの水位低下に定期的に悩まされ時折干ばつの被害に見舞われる。

他方、数年に一度、エル・ニーニョ現象が生ずる。エクアドルの暖流が南緯8度以南まで流れ込み南太平洋の高気圧が大幅に移動するため、ペルー全土の気候が不安定となり、全海岸線で気温が上昇し北部では豪雨が増える。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION