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今、それじゃあ、どんなところで道路の改良を行っているのかということでございますけれど、この国道1号線、これをアジア開発銀行の手によりまして改修していこうという計画が進んでおります。この辺、ヴィエトナムのホーチミン市、ここが80キロで、これが160キロ、合計240キロの道路でこざいますけれど、これを今、改修しようということで検討が進んでおります。これからずっといったタイ国境までがアジアハイウェイなんです。1号線というルートに指定されております。

それから、大きいのが、先ほどいいましたこの国道6号線。

それから、ここから先が7号線なんですが、コンポンチャムまでのこの区間、これを今、日本が一生懸命やっているところであります。

それから、ここにメコン川があります。ここに長さ1,350メートルの架橋を予定しております。その架橋の絵が、今、橋を準備中でございますけれど、このようなクリアランス15メートルありまして、たしかスパンが、忘れてしまいましたけれども、150メートルだったか、こういうような橋でございまして、メコン川の下流から、メコン川の本流というのは、橋はずっと上流のラオスとタイの国境まで行かないとないものですから、メコン川にかかる海から最初の距離で400キロぐらい行ったところの橋でございます。今、これをつくる準備をもう間もなくスタートするはずになっております。

あとは、ほかの国で橋梁をやったり、あるいは地方部のいろいろな国道を直していったりとか、こういうような援助をやっておりますけれども、大きな仕事というのは、日本が無償でやっているものが中心でございます。

今、道路の話をいたしましたが、次に鉄道の話をしていきます。

カンボディアには鉄道があります。約650キロほど鉄道がありまして、これを北線、旧線といいまして、1930年代にほぼつくられた鉄道でございます。それから、これを新線と呼んでおりますけれど、これが1960年代につくられた路線でございます。ここにバッタンバンという町があるんですが、こういうプノンペン、首都であり、川港なんですけれど、農産物を運ぶために植民地時代につくられた鉄道。

それから、このシハヌークビルという港から首都に物資を運ぶためにつくられた鉄道。新線、南線とも呼んでいますが、こういう鉄道の2本がございます。

かつて内戦前は大変よく使われておったわけでございます。それが表4.1、19ページでございます。内戦前は35万トン、日本にすれば大したことない量でございますけれど、そんな量を運んでいた。あるいは、旅客輸送も大変盛んであったと聞いておりますけれど、内戦後、鉄道が非常に荒廃いたしまして、諸外国の援助で仮復旧程度はできておりますけれど、まだ本格的に動くという段階ではございません。

ここの鉄道は、こっちもそうですし、こっちもそうなんですが、信号というものはございませんで、信号がないものですから、1区間に1列車しか入れませんので、朝大体6時半ぐらいに出発しまして、その日は向こうに行きます。そして1泊して翌日帰ってくる。翌日の朝は、今度は反対側の線が行くというようなことで走っているわけでございまして、混合列車で、旅客と貨物と、これはものすごい人の量で、屋根まで乗っているような、大体前の日から駅に泊り込まないと客車に乗れない。朝行ったのでは屋根に乗る、こういうような状況で走っております。にもかかわらず、ここにありますが、営業収支は大変悪くて、大変財政の負担になっているわけであります。

鉄道車両につきましても、表4.4に書いてありますけれど、内戦前はかなりあったわけでありますが、現在稼働中というものは非常に少ない。それから、機関車なども小さいものしかない。こういうような状況であるわけであります。しかし、この国の鉄道は、大変未来はあるわけであります。

といいますのは、これはインドシナ半島から東南アジア全部の地図でございますけれども、トランス・アジア・レールウェイという構想がございまして、それは、シンガポールから中国まで鉄道で結ぼうという構想でございます。その1つのルートとしまして、バンコクからこのタイとカンボディア国境までは、現在タイの国鉄が走っております。ここのところがちゃんとつながっていないものですから、今は1日2往復のディーゼルカーが走っている程度であります。そして、ここに48キロ壊れている、完全に破壊されているところがありまして、これをつなぎますとここが接続されます。これはかつては接続されておりました。ここはレールの幅は全域全部1メートル、メーターゲージでございますので、全部つながればここを走ることができる。それから、あと今度こっち側なんですが、ホーチミン市、ヴィエトナムの南北の縦貫鉄道が上に走っております。そして、このロクニという国境のところまでつながっておりますので、ほんとうはこう回してもいいんですけれど、こっちをつないでつくろうということで、こういうふうにいたしますと、アジア地域の鉄道が、シンガポールから中国まで1本のレールで結ばれることになります。

 

 

 

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