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建設省は、これ、建設公社というのがありますが、これは建設を実際に行う一種のゼネコンみたいな直営の建設部隊ということになります。

ホテル観光省は、観光関係を担当しまして、ホテル観光局が、政策の立案等、あるいは観光業の免許の認可といったことを行っております。ホテル観光公社は、直営でホテルを所有しております。レストラン飲料公社は、これは直営で小さな「飲」みたいなものを経営したりしているところでございます。

それから、YCDCは、ヤンゴン市内についてバスの運行をしたり、道路の建設をしたりということで、立場的には、運輸省とか鉄道運輸省と同格の立場になっております。

それで、社会資本の現状でございますが、まず道路につきましては、全国で3万1,000キロほど道路があります。しかし、そのうち舗装されている道路は、その約3分の1の1万1,500キロということです。ただ、舗装されているといっても、日本のような舗装ではなくて、かなりがたがたして、しかも幅も1車線分しかないというようなものがほとんどでございます。舗装されていない道路は、雨期になると通れないのが当たり前でございます。舗装されている道路ですら、雨期になると、途中の橋が水没して通れないというようなところも当たり前でございます。

それから、先ほど最初に申し上げましたが、国土を二分するイラワジ川には、橋がほとんどかかっていない。ついこの間までは、サガインというマンダレーのそばに1本しかなかったわけですが、現政権になりまして5本、これは中国の無利子借款を利用しまして、中国の技術、あるいは鉄を輸入して建設していたわけですが、たしか2本ぐらい開通したと聞いております。つい最近でございます。

中国、タイ、インドとの国境貿易といったものは盛んです。ミャンマーから中国雲南省に続く道路、ラシオとムセとの間は、BOT方式で建設されました。それから、インドとの国境につながる道、これもインド政府の援助により、現在建設されているところでございます。こういった道路の建設は、先ほど言いましたが、建設省の建設公社が行っております。一部国境については、国境地域開発庁といったところが管理しているところもございます。

次に港でございますが、ミャンマーには9つの港がございます。すべて河口部または河口から数キロさかのぼったところにございます。図面では、ちょっといい図がないんですが、5ページでいえば、9つというのは、西のほうからシットウエーというところと、書いてありませんが、このラカインステートと字が書いてある下に島があるんですが、そこにチャオピューという港がございます。それから、パセイン。これはイラワジデルタのところです。それから、ヤンゴン、モールウェイン。それから、ここに書いてありませんが、タニンターリディビジョンというタイの南のほうですが、メイク、ダウェイ、それからコータンといった港がございます。といいますけれども、外国貨物の9割はヤンゴン港で扱われておりまして、その他の港は、まあ、ポンツーンが1基か2基あればいいやというような港でございます。

港湾の建設、管理、運営、荷役、通関代行といった港湾に関連する業務のすべては港湾公社が行っております。ヤンゴン港は、外海からヤンゴン川を約32キロさかのぼったところにございまして、途中サスに阻まれて、入港するために潮待ちをしなければいけないということもありまして、入港可能な船舶は1万から1万2,000トン、船の長さが167メートル。喫水が9メートル程度。コンテナバースが3バースと、あと普通の外港の一般バースが14バースほどございます。96年度には、約9万コンテナ個数、744万トンの取り扱い実績がありました。

ヤンゴン港のバースは、その背後地がすぐ市の中心地でございまして、それ以上の拡大が望めない。それから、先ほども言いましたが、サスに阻まれるということもありまして、ヤンゴンから約12キロ下流のティラワという場所に、シンガポール資本で、BOTベースでコンテナターミナル、その他一般も含めて新しい港を現在つくっておりまして、昨年だったと思いますが、一部オープンいたしました。

シンガポール資本でつくったティラワのコンテナターミナルが昨年オープンしまして、ここは水深が約10メートル。それから、24時間入港可能ということで、ガントリークレーンも2基ついていますし、その他ヤードクレーンも数基ついております。ただ、輸入規制等があって、ほとんど船は来ていないというようなことで、どうなんだろうなというところでございます。また、そこは背後地、約12ヘクタールにも及ぶ工業団地の造成といったものも、同じシンガポール資本で行われております。

次に鉄道でございますが、1877年にミャンマーの鉄道は始まっておりますが、その後、英国統治時代には建設が進められていたわけですが、ネ・ウィン時代には、ほとんど新しい建設、あるいは整理といったものが行われていなかったということです。

 

 

 

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