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現政権になりましてから、少数民族との融合といったような国家目標のために、1,000マイル新線建設ということを目標にして、88年以降、約800マイル建設しまして、現在は2,800マイルほどあるといわれております。線路規格は1メートルということで、タイと同じでございます。路盤状況は非常に劣悪で、年400件ぐらいの脱線事故が起こっております。脱線が400件あるんですが、死亡者数はほとんどない。というのは、ゆっくりゆっくり走りながら脱線してしまうというようなことらしいです。実際に見ればわかるんですが、まくら木とまくら木の間が、1メートルあいていたり、30センチぐらいしかなかったりというような感じですし、一目見て波打っているというのがよくわかるような状況でございます。

我が国もかつて機関車や客車といったものの援助を行ってきたんですけれども、ODAがストップしているということもありまして、最近は中国政府から、車両とか、レールとか、まくら木といったものの援助を受けているようです。ヤンゴン─マンダレー間の改良といったものとか、ヤンゴンにある環状鉄道の電化といったものの実現が大変待たれているところでございます。

それから、一方でアジア鉄道といったものの調査が行われていまして、資料の20ページのところに、汚いコピーでございますが、マスタープランの図がありますけれども、タイからミャンマー、これは昔の泰緬鉄道のルートを使うということだそうです。

それからもう1つは、タイからミャンマー経由で中国、これはコンメイ、クンミンのほうにつながるルートでして、マレーシアが主導権を握って調査を行っているということらしいですが、まだお金についてはよくわからない。

今後、こういった国際間にまたがるようなインフラに対して、何か我々の技術が生かしていけないかなと期待しているところでございます。

それから、空港でございますが、全国で約60カ所以上の空港がございます。実質上国際空港として運営されているのはヤンゴン空港だけです。ヤンゴン空港は、約2,500メートルほどの滑走路延長がありますが、それを1,000メートル延長して、さらに管制塔や航空灯火、ターミナルビルを整備するというような円借款プロジェクトが行われておりましたが、88年に中断、それ以降紆余曲折がありまして、ことしの3月に部分再開ということになりました。現在、8月から2000年8月を工期といたしまして工事が始まっているやに聞いております。現場作業員を約250人ぐらい雇って進めているということです。部分再開では、滑走路の修理、管制塔、それから航空灯火といったものをやるということで聞いております。

それから、ミャンマー政府は、マンダレー近郊に、滑走路の延長が4,000メートルを擁するような新マンダレー空港といったものを、これ、タイの地銀の融資でつくっております。99年7月完成目標ということで、これも順調に進んでいるように聞いております。日本の企業が工事管理に入っております。ただ、まだだれが就航するんだろうなというのはわからないというようなことでございます。

ヤンゴン空港を除いてその他の空港、それぞれ滑走路の延長とかといった工事はやっておりますが、舗装はしているけれども、航空灯火とか、あるいは管制塔とか、航行援助施設といったものについては全く不備な状況でして、何らかの援助が必要なのではないかなと考えております。

それから、海上交通でございますが、海上交通のほとんどはシンガポールと結ばれておりまして、コンテナ輸送に関しては、完全にシンガポールのフィーダー港として機能しております。

それから、ミャンマーの海運会社といったものは、先ほど言いました五星海運会社、ミャンマーファイブスターラインといいますけれども、それがやっておりまして、ミャンマー人が英語を解する。それから、結構従順な性格であるということもあって、船員としてのニーズはかなり高いやに聞いております。

内陸水運については、道路が劣悪であったり、川に橋がかかっていないということもあって、欠くことのできないような交通手段になっています。中国の雲南省にとっては、上海のほうに出てくるよりも、ヤンゴンから出たほうが海に近いということもあって、船を供与したりとか、あるいは調査を行ったりといったことを行っているやに聞いております。

それから、都市基盤施設については、上下水道、都市内道路等を含めて、我が国の30年前ぐらいの状況ではないかなということでございます。ヤンゴンなどの都市においては、それなりに整備されていますが、整備されているといっても、現段階で既に交通渋滞等が発生しておりまして、今後さらにモータリゼーションが進めばどうなるかよくわからない。すぐ麻痺することは明らかであろうと思われます。

大分時間が経ちましたので、この国において社会資本を整備する上で一番の問題といったものが、やはり各省に政策を比較、作成するような部門または人がほとんどいないというのが問題のようです。

 

 

 

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