そういう4つの重点政策の1つに観光が挙げられているということでございますけれども、一番の大得意が日本人らしいんです。日本人はすぐお金をぼんぼん落として、いろいろなおみやげをたくさん買っていくということで、いいお客らしいんですが、公邸事件以降、昨年末の早稲田大学の探検部の方々の事件で追い打ちがありまして、どうもペルーは必ずしも安全じゃないなという風潮が強まりまして、特に日系人の方々のおみやげ屋さん、それから私なんかもよく行きました日本食のレストランは売り上げがばったり落ちたと、困ったものだと。それにも増して、一番痛いのは日系人ツアー会社がお客が来ないということで、もう少しで首をつらなきゃいけないと騒いでいる人もいました。
そういう危険度は、確かにないとは言えません。ないとは言えないんですが、それよりも問題は、私の個人的な私見なんですけれども、ここにもちょっと書いてございますけれども、ホテルの高さ、設備の悪さ、アクセスの不便さ、これを解決しないことには、この観光というのはそんなに伸びないのではないか。なぜかといいますと、中南米地区でかなりの観光客はいるんですけれども、ブラジルに比べますと完全に1けた違います。これは、日本人じゃなくて、外国人観光客の数で比べましても完全に1けた違います。日本人で言っても、1けた違いますね。ブラジル、アルゼンチン、チリ、その次ぐらいがペルーに日本人観光客が行く数の順番だと記憶しております。3万5,000人、今年あたりはあまり行っていないと思いますので、3万人も行かない可能性もありますね。
そういう状況なんですが、実はここは非常に文化遺産が多うございます。一番有名なのは空中都市マチュピチュですが、これも非常にアクセスの悪いところでございまして、ここが標高2,800メートルです。最初にここに訪れる方法としては、どうしてもクスコに寄らなきゃいけない。クスコが標高3,400メートル。3,400メートルというと富士山の頂上近いわけですけれども、3,200メートルを超えますと人間の97%までは高山病になると言われております。私も何回か行きましたけれども、必ず何か症状が出ます。頭が痛くなる、吐き気がする、夜、眠れない、物を食べれない状況がある。ひどくなりますと、肺浮腫、肺水腫と言いまして、肺に水がたまってくるというところにとりあえず行かなきゃいけない。行った後に、さっき言った狭軌道の電車に乗りまして、これが朝5時ぐらいに出発なんですけれども、とことこと3時間ほどかけて少しずつ下がっていってマチュピチュまで行って、マチュピチュの駅から標高差で約400メートル、バスで上っていくという苦労をしなきゃいけないところなんですが、そういうアクセスの悪さというのがありまして、帰ってくるのも必ず夜中になりますので、クスコヘ泊まると。
クスコというのは、三千何百メートルありますので、当然山の中にあるわけですが、飛行機は午前中しか飛ばない。夜になると見通しが効かないので、それで有視界飛行をやっておりますので、午前中しか飛行機が飛ばないと。だから、少なくともマチュピチュヘ行って日帰りしても、クスコで2泊しなきゃいけない。そういうアクセスの悪さとか、ホテル代がその割に高いと。時として水すら出ない。シャワーがあるんですが、水のシャワーも出なくなる。本来、お湯なはずなんですが、お湯を望むのはちょっとぜいたくかなと。運がよければお湯が出ることもあるなというぐらいのホテルでございまして、それが安いんですけれども、日本円で1人7,000円ぐらい。1万5,000円ぐらい出せば、大体水が出るかなと。お湯は80%は大丈夫かなと。運が悪いと20%ぐらいでお湯が出ないというホテルもございます。
同じく、リマ市内においても結構ホテル代が高うございまして、女中さん1人の1月分の給料がホテル1泊で飛んでしまう。150ドルぐらいいっちゃうというところで、問題はその辺の設備というか、地域整備をしないと、なかなか観光客は来ないかなと。ペルーには5つ星というホテルは結構ございます。ただ、5つ星、4つ星は、日本人だと1つ取った感覚で物を見てると腹も立ちませんけれども、ここは5つ星なのにというのがたくさんございますので、その辺は星を安売りしている国みたいでございます。こんなこと言っていいんですかね、私がいた国なのに。
それで、気象でございますけれども、先ほどちょっと申しましたように、北端は赤道直下でございます。エクアドルというのは赤道の国なんですが、今、エクアドルとの国境問題で争っているところがあるんですが、ペルーとか日本の地図に出ている限りは、ちょうど赤道直下の0度から18度までの間ということでございます。ただ、非常に涼しゅうございます。特に、リマ市内は涼しいです。最高気温が夏場で約30度ぐらいの平均です。それが夏の一番暑い時期の夕方、夜になりますと、10度下がって20度ぐらいというふうに下がってまいります。したがって、リマ市内にいる限りは、正直言って日本よりは、少なくとも東京よりは暑くない。かつ冬というのも存在しております。冬は非常に気候が悪うございまして、あまり太陽が出ません。だから、裏日本の冬場の空のような空が毎日続くと。お日様を望むのは無理だと。ただ、冬場の気温も、最高気温の平均が20度ぐらい、最低気温の平均が10度ぐらい。