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ウサギを飼ったところに木組みで三、四メートルの高さの管制塔らしきものが1つあって、滑走路を農民がくわを抱えて横切っていましたので、ここが滑走路なのか飛行場なのか、飛行機が飛んでいるから飛行場だろうというぐらいのもので、そういうものを含めて305個と。

それから、航空貨物の旅客総数というのは観光客も含めまして617万人程度です。やはり、これだけの広大な土地ですし、自動車が発達しない、電車が走っていない。、そういう状況ですから、おのずと遠くからは空港の利用が多いと。お金がない割には、よく乗っているなと。そうでなければ、リマからクスコまでバスで約1週間かかるんですけれども、1週間かかって帰る人もいると。飛行機で飛べば1時間20分で行くと、そんな感じのところでございます。

外国人観光客という意味では、39万人程度。これは、あの事件が起きるまで、日本の観光客が約3万5,000人、4万人、5万人という数字に伸びてきまして、一時期は10万人は間近であると言われたんですが、ご承知のとおり、ペルー自身は観光旅行延期勧告というのが出ておりまして、グレード2。ちなみにインドネシアが最高ひどかったのがグレード4までいったんですけれども、グレード2ということで、各ツアー会社さんが今、ここでツアーをあまり積極的に組めない、特に大手が組めないと。聞く話によれば、日本とペルーとの直行便が、あの事件の起きる直前に飛ぶんじゃないかといううわさが飛んでおりましたけれども、あの事件のおかげでどこかへいってしまったというのが実情でございます。そういう国でございますということで、この地図を出しておいて続けさせていただきます。

1ぺージの資料に戻りまして、全般的な話でざっと説明させていただきます。今現在、ペルーの運輸交通の中心というのは陸上。陸上というのは、物資という意味での陸上交通と航空機であると。これは、先ほど申し上げましたとおり、中央に4,000メートル級の山脈がそびえているために、その東側にあるアマゾンで生産されるような物資の運搬を行うのが非常に難しいということで、なかなか経済的に恵まれない。したがって、その地区に住んでいらっしゃる方は、ジャングルに入って果物がいくらでもあるんですけれども、豊かな暮らしにはなかなかなれない。どうするかというと、山を越えてリマ市内に流れ込んでくる30万人とも50万人ともつかない人たちが、こういうところから出てくる。

なお、当然のことながら、その山岳地帯というのは4,000メートル級でございます。いかに赤道直下を含めて、リマで南緯十二、三度、約20度ぐらいまでの間で非常に過ごしやすい気候といえども、4,000メートルを超えている山々に住んでいる方々というのは、生活はそんなに楽ではないし、いいものが食べられない。したがって、体格的には非常に小さ目の方が多い。そういう人たちがどんどんリマ市内とかに逃げ込んできているというか、流れ込んできているということでございます。ちなみに、平均の生活費、聞いた話ですけれども、今のお巡りさんたちは部長さんクラスになって月収が約400ドルでも結構いい生活ができる。お巡りさんは、ほかに副業を持っている方もいます。ちなみに、山の中でいきますと、百二、三十ドル稼いで何とか生活できるという状態らしいです。

それから、道路・自動車事情ということでご説明申し上げますと、先ほど申し上げましたとおり、舗装された道路が7万3,000キロのうち約11%程度の8,300キロくらいしかない。これは、ペルーの南ほうから、もちろんチリも入っていますけれども、アメリカまでのパンアメリカン道路、後で地図をお見せいたしますけれども、資料の中にも入っておりますので、後でごらんなっていただければわかりますけれども、海岸線沿いを走っている幹線道路がこれ1本でございまして、ここからちょっと山に入ったらほとんど舗装道路が存在しないという状態の道路でございます。

私も、昨年エルニーニョの影響を受けまして、非常に暑い夏を過ごしてきまして、また日本で立て続けに暑い夏を過ごしているわけですけれども、前回のエルニーニョで起きた被害というのが北部地方、パイタから北のほうになるあたりなんですけれども、あの辺でふだん雨の降らないところが雨が降ったということで道路が寸断された。前回の1983、4年に起きたエルニーニョの被害がようやく昨年、一昨年あたりにやっと治ったと。治ったと思ったら、今年のエルニーニョでまた大雨で、またやられております。したがいまして、この国の道路事情というのはなかなか思ったようにはよくならないだろうと。

また、車検制度などというものも当然ございません。日本の中古車がどんどん入り込んでおりまして、何とか幼稚園とか何とか旅館のマイクロバスが平気で走っておりまして、それがコンビという名前で私設バスということで、どんどんあちこちの路線を走っている。大型バスよりも非常に安くて早いということで、定員は何人だかよくわからないですけれども、とにかくいすの数がめちゃくちゃ多い。日本の7人乗りのマイクロバスに20人近く乗っておりますので、すし詰め状態で乗っているという状態で、たくさんリマ市内で走っております。

 

 

 

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