この選挙では、「統一か独立か」「大陸出身か台湾出身か」といった過去の論点に飽き足らない「新台湾人」といわれる中間層の支持を広く集めたとされる。この11月にはトンガが台湾と断交し、同月マーシャルが台湾を承認したが、世界の台湾承認は27カ国でしかも小さい国が多い。台湾は先進国との間では経済を中心とする実務面で関係強化を進める方針にあるが、ライバル中国の経済面での台頭も著しく、なかなか外交面でポイントを挙げるのは難しいのが現状。(98/12/7日経朝刊9面)
経済情勢:
アジア通貨危機以後豊富な外貨準備高と僅少な対外債務を背景に比較的堅調に推移してきたが、とりわけアジア新興開発途上国の消費低迷により、台湾からの輸出減の影響を受けて、内包していたバブル化していた金融破綻など不安材料が発出しつつある。ADBの経済予測では、98年5.0%、99年5.2%のプラス成長率を維持する見込み。
1. 一般政治・経済・貿易(Source:日本経済新聞等のニュースメディア)
(1) 政治
1949年12月7目の国民党政府の台湾移転。1971年10月の国連関係断絶、1972年9月の日中国交樹立に伴う日本との断交など、台湾は大陸、中国との関係が陰に陽に現れ、多くの国との国交断絶が続き、大陸との間では常に臨戦態勢下での「奇跡の経済成長」を遂げ、アジア新興開発途上国の一角を担ってきた。
現在、李総統の下、政局は比較的安定しているが、本省派(独立志向:野党、民主新進党など)と外省派(与党、国民党)を抱え、多くの国民は中国を刺激することなく現状独立しているとみて、これも難しい選択ではあるが現状維持を望んでいる。
2000年の総統選挙の前哨戦とも位置づけられる98年12月5目の台湾の統一選挙:台北、高雄両直轄市、立法委員(国会議員に相当)の選挙において現職の独立を主張する水扁氏を破り馬英九氏が当選。高雄市長は野党民進党が僅少で勝利したものの立法院は李登輝総統率いる与党国民党が安定過半数を確保。
この選挙では、「統一か独立か」「大陸出身か台湾出身か」といった過去の論点に飽き足らない「新台湾人」といわれる中間層の支持を与党国民党が広く集めたとされる。
この11月にはトンガが台湾と断交し、同月マーシャルが台湾を承認したが、世界の台湾承認はたったの27カ国でしかも小さい国が多い。台湾は先進国との間では経済を中心とする実務面で関係強化を進める方針にあるが、ライバル中国の経済面での台頭も著しく、なかなか外交面でポイントを挙げるのは難しいのが現状。(98/12/7日経朝刊9面)