1. 一般政治・経済・貿易(Source:日本経済新聞のニュースメディア)
(1) 政治
96年11月に成立した新希望党チャワリット政権は6党連立の下、97年後半バブル経済破綻を嫌った短期外国資本の引き上げに起因するタイ発のアジア通貨危機が勃発。
97年11月に民主党チュアン・リークパイ党首を首班とする8党連立政権が成立し、国民生活を直撃した物価上昇、雇用不安などに対しIMF指導の経済復興の優等生として国の再建に取り組み政情は安定している。もともとタイの政権交代は無血であることが有名である。
(2) 経済
1) タイ経済
タイのバーツ切り下げ、IMOの指導経済下、財政緊縮政策をとりつつも、景気回復のための積極財政政策も加味しつつ、基本に立ち戻って得意分野の農業重視の経済発展にも配慮し、経済回復の歩調を速めている。
1999年1月22日日経朝刊9面:タイの89年ドルベースでの輸出が対前年比6.6%減少し、総額545億ドル。同国の経済再生の切り札の一つである輸出が思うように進展していない。タイ通貨バーツでみた輸出総額は2兆2,510億バーツ(1バーツ=3.3円)で、前年比24.5%増。輸入は424億ドルで、対前年比32.9%減。貿易収支は輸入の落ち込みによって97年の48億5,200万ドルの赤字から121億ドルの黒字に転換。ドルベースで輸出が減少した分野は、天然ゴム、冷凍エビ、コーヒーなど一次産品の他、プラスティック製品、コンピューター、エアコンなど工業用製品まで幅広い。その理由として、金融機関の貸し渋りによる企業業績の悪化、一次産品生産の減少が挙げられている。
2) ADB経済回復見通し
タイに関しては、98年▲7.0%、99年0.5%と僅かではあるがプラスに転じ改善に向かう模様。
3) タイの失業
タイ商務省の発表では今年1─10月に閉鎖した企業数は前年同期比35.6%増の10,175社。今年の失業者は約150万人、失業率は4.7%と前年のほぼ2倍。来年の成長率かゼロにとどまると、失業者は170万人から190万人に達すると予測。('98/11/30日経朝刊8面「アジア企業債務処理難航:景気底入れに冷や水も」)