外貨準備高'95:
239億ドル
政治情勢:
マハティール首相率いる長期政権のもとで、NO.2であったアンワール(元)副首相の逮捕問題を内包しつつも、9月のCommonwealth Gameのマレーシア開催、11月中旬のAPECクワラルンプール開催を終えて、一応政情は安定化の様相を示している。
経済情勢:
1997後半タイに始まったアジア通貨危機のマレーシアヘの波及が懸念される中、短期外国資金が自己利益追求のため今や一国の経済を破壊する事態を憂慮し、いち早く自国通貨リンギ防衛のため通貨管理規制政策を導入し、以後、マレーシアの経済は一時期の危機を脱しつつあると見られる。ADBの経済予測では、98年の▲6.0%が99年には▲2.0%と大幅なマイナス幅は改善に向かう模様。
1. マレーシアの一般政治・経済・貿易:
(Source:日本経済新聞等のニュースメディア)
(1)政治
マハティール首相長期政権の下で、彼が目指したLook East経済開発政策に基づき、他国に依存しない独自の民族資本を中心に開発を進め、1997年後半に始まったアジア通貨危機直前までは一定の評価を得て政権は安定裡に推移してきた。
1998年に入り、マハティール首相率いる長期政権のNo.2であったアンワール(元)副首相の逮捕問題が惹起し、政権は一時不安定化の様相を呈した。
98年9月にはアンワール裁判が開始される直前にCommonwealth Gameのマレーシア開催を終え、また、11月中旬にはAPECクワラルンプール開催を終えて、一応政情は安定化の様相を示している。
(2) 経済
マハティール政権は、Look East政策を唱え、他のASEAN諸国同様に1990年代に入り一部外国資本の導入を図り自国経済開発を促進したが、'97年アジア通貨危機を契機として、短期外国資本流出問題が生起し、いち早く自国通貨リンギの対ドル固定相場制の導入など通貨管理によるリンギ防衛を実施して、現在、経済の安定化に対する一定の効果が出ていると評価されている。
マレーシアの場合、アジア通貨危機の影響は、他のASEAN諸国と異なり民族資本中心の経済開発が基本であったこともあり、被害は比較的軽微であったことも幸いしていると見られている。