しかしながら、華僑系のRCL(Regional Container Lines)社など自由マーケット主義に徹した海運企業が着実に力を付けてきている点にも着目する必要がある。
Mritime Centerに関し、タイ側はタイの海上貿易構造が定期コンテナ輸送体系上、フィーダー的位置づけにあることを念頭に「No, we never ・・・」と回答しているが、Laem Chabang港は深海コンテナ港として新興経済で伸びた海上貨物に対応してバンコク港に替わる国際商業港として着実に発展してきている。
(4) 台湾
台湾の国営海運企業は2社で発足し、台湾の海運企業が国家企業であることの理由は非常時に備えたものであるかどうか定かではないが、その内1社が最近民営化された。
台湾でも面談では海運企業に対する補助金を限られた原資とはいえ過去支給している旨言及し、質問票に対する回答では新海運政策の採択をマークし、「如何なる補助金又は特別な待遇は供与していない。」及び「内外の海運船社に対する規制の撤去の具体化を進めている。」旨回答している。政府手配貨物は自国船の運ぶところかどうか回答にはない。
台湾の長榮海運は、Evergreen Shippingとして戦後その名を世界に馳せ、特に定期船分野の盟外船活動で知られるところとなった。同社はこのアジア不況の中でも着実に力を貯え、世界海運を担う会社の一つになっている。
本件調査団の訪台時の10月1日NYK台北支店が開設された。過去、邦船社が大陸との関係で直接台湾との接触を避けてきた経緯に鑑みれば、台湾の新興経済国としての著しい発展が魅力ある海上貿易国の要件を備えていることの一つの象徴的動きとして観察した。