タイのRCL及び台湾のEvergreen Shippingでも、従来の海上輸送パターンの大きな変化に対し、社内ネットワークをうまく活用し空コンテナ回しに工夫しつつ対応。フィーダー船社は輸入貨物が減少しても、他社の輸出用空コンテナ積みを行いその対応としている。
アジア地域邦船社は、アジア地域の輸入海上貨物の40%減の影響下、空コンテナ回しに負担を感じつつも、アジア諸国の輸出が20%減といえども欧米経済の堅調さに支えられたアジアNICS諸国の通貨切り下げに伴う輸出競争力付与の効果もあり急場を凌いでいる。
4. アジア通貨危機に伴う船舶の減配、スペースの相互融通
アジアではアジアの輸出20%減と輸入40%減に対応して、日本からの輸出が減り、空コンテナをアジア新興経済諸国に回すコストが会社運営によって区々ではあるがUS$400─600(40F)かかる極めて苦しい運航を迫られており、邦船社を含めアジア航路における船舶の減配、相乗りのスペースチャーターによる業務提携の形も出てきている。以下、在バンコク邦船社情報。
(1) COSCO:1997年9月よりLaem Chabang Port寄港中止
(2) NYK:1997年12月よりJapan/Thai v.v.サービスを週3国より2回に減便
(3) K Line:1998年1月同じく2航海を1航海に減便
(4) その他:何社かは配船を止め、他社とのspace chaterに切り替へ。
例、Hanjin、Wan Hai等。
第2節 海運保護政策
1. 海運保護政策の形態
自国外航海運の育成・保護政策としては、従来より、直接・間接に自国貨自国船積みを強制し又は誘導する自国船優先(国旗差別)政策を推進してきた。それらの政策には、貿易取引当事者に対し貿易条項によって船積権を自国に確保させたり、自国船積みをした場合の所得税控除の対象にする誘導(インセンティブ)政策がある(後刻、廃止を確認した)。また、海運育成政策としては、所得税の減免、船舶建造補助や船舶輸入税の減免と船舶の減価償却面の優遇措置など公正であるべき国際競争力を有利にする政策も保護政策も採られている。