(2) 荷主･海運への自国船積み誘導政策(インセンティブ):Source:Malaysian Maritime Source Book 1996/97
1) 荷主
特にアジア通貨危機以後のマレーシアの通貨管理規制に伴い、｢商社によるマレーシア船積み誘導政策｣が強化されている。(新聞情報等)
その理由としては、同国が海運及び保険の分野で外国への依存が極めて高いこと及び自立海運の強化施策に照らし採られる政策であるとされている。(同上Source Book)
1999年2月18日マレーシア運輸省を訪問したMICC平出業務部長は、マレーシアが商社インセンティブにより自国貨自国船積みの政策を廃止した旨確認した。
1] マレーシア籍船積みの場合所得税(Income Tax)控除:
i. 経費として運賃2倍控除(Income Tax Rules 1995)
ii. 国内保険会社との貨物保険の付保:経費として2倍控除
iii. 輸出信用保険付保金の経費としての2倍控除:(非伝統的輸出促進保険料のコストとして2倍控除)
2] 輸出信用再融資制度(ECR:Export Credit Refinancing Faclities):中央銀行のECR Scheme:
1995年5月1日付 該当輸出品目にかかる船積み前･後
融資制度:短期融資年利率5%の融資供与
3] 輸出信用保険保証制度:政府による商業･公的外国取引き輸出保証制度
2) 海運
1] 船舶の輸入税の免除:1990年6月21発効 下記基準以外(大型船輸入の場合)不明。船型別:26GRT 以下:30%、26─4000GRT:10%、4,000以上免除
2] 船舶の減価償却の促進:初年20%、以降、年6─10%(加速度償却制の採用)
3] 海運所得税の免除:マレーシア登録船舶 (マレーシア籍船優遇所得税制は国内港湾インフラの整備、荷役サービスの改善等により国内貨物の直接取り扱い量が増加傾向にあること、同税制に対する海運先進国からのデマルシェ要請等により実効のあがらない同税制を見直し、撤廃の見通し)
4] 船員所得税の免除
